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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 未来視少女 ( No.6 )
- 日時: 2014/12/21 19:16
- 名前: フォルテ (ID: nWEjYf1F)
それからは、いっぱい歩いた。出来るだけ遠くへ行くように、すごく頑張って。
2回も夜を明かして、警察の目を掻い潜りながら。部屋で着ていた薄手の服だけで、冬の寒さを凌ぎながら。
そうして3日が経とうとしている今、私はもうボロボロになっていた。
でも、当ても無く歩いていたはずなのに、私はいつの間にか義隆君の家まで来ていた。
義隆君というのは私が通っている高校の同級生で、同時にクラスメイトでもあり、幼馴染でもある。
昔からよくしてもらっていたためか、自然と私は彼を頼ろうとしていたみたい。
その義隆君の家まで来たということは——うん、軽く20キロは歩いたかな。
「じゃあ行ってきま……あれ?」
「あ——」
義隆君の家の前で、ただぼんやりと立っていたときだ。
夜も遅いはずなのに、何故か義隆君が、丁度玄関から出てきた。
「お前、何でこんなとこにいるの? ってか、ボロボロじゃん! どうしたの!?」
——いつもの義隆君だ。
そう思った瞬間、ふと体中の力が抜けた。
————このように、未来視の力は何も、いいことばかりを結末として迎えることは出来ない。
悪い結末を変えようと努力しても、かえってさらに悪い結果を迎えてしまう事だってある。
特に今回のこの件は、今まで経験してきた中で最も悪い結果であった。
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