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Re: COSMOS ( No.115 )
日時: 2015/03/08 11:36
名前: Garnet (ID: WfwM2DpQ)

「なんか 凄かったね。」

陽菜ちゃんが、瞳を輝かせた。
窓から差しこむ陽の光で その頭には天使の環が浮かび上がっている。

「…まあ、本当に凄くなりそうなのは これからだけど。」
「そうね。」

新品の匂いがする制服を脱いで、鈴木さんが作ってくれたワンピースに着替えた。

「奈苗ちゃん、それじゃあ寒いでしょう?上にこれ羽織ったら?」
「うん」
「いーないーな!陽菜にもワンピ作ってよ!」
「ハイハイ。分かった。」
「わーい!!」

騎士のお供の天使は、今にも飛んでいきそうな勢いで ぴょんぴょん跳ねた。

…時々 ふと思う。
過去を抱えた 他の皆とはちょっと違う私と、年相応の 純粋な陽菜ちゃん、
どっちが可愛がられるんだろう。
きっと大人たちはこう言う。どっちもいい子だよ…って。
でも、本当にそうかな。

「鈴木さん…」
「なぁに?」
「…恵理さん、って呼んでもいい?」
「良いに決まってるじゃない…可愛い姪っ子だもの。勿論 陽菜ちゃんも———
 って あれ?」

私達が辺りを見回すと、いつの間にか 陽菜ちゃんの姿は見えなくなっていた。

「もしかして、気を遣ってくれたのかしら。」
「ふふ。じゃあ、思いっきり甘えても…いい?」
「えぇ」

笑顔でそう言われた途端、私は 恵理さんに身を任せた。

「もう。お姉ちゃんにそっくり。」

優しい声。
優しい香り。
お母さん、もし また会えたら、こうやって甘えさせて。

でも、今の私のお母さんは……、この人—————————