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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: COSMOS<ロック終了(*^^*)> ( No.125 )
- 日時: 2015/03/23 20:49
- 名前: Garnet (ID: VN3OhGLy)
自転車を押し進めていくと、塾のテキストを広げている麻衣が 目に入った。
でも…いつもと様子が違う。
その瞳は、どこか遠くの世界を見つめているように見えた。
「麻衣、どうしたの?話って———」
言いかけたその時。
麻衣が ぽろりと涙をこぼした。
「翔君。」
「ん?」
「私たちって、友達だよね?」
「うん。」
「翔君とエマは?」
「友達。」
「翔君とともちゃんは?」
「友達だよ。」
「じゃあ…私と、ともちゃんは…エマは…」
「友達に決まって———って、麻衣…まさか…」
彼女の視線が彷徨った。
麻衣が 『そう』思うようになったのは、いつからなんだろう。
エマの家に遊びにいった日、僕たちだけ返された時?
でも…。
「エマが僕たちを帰したのは、奈苗ちゃんがプレッシャーを感じていたからだろう?
麻衣が邪魔だとか、そんな理由じゃないよ。」
そう…きっと、そうに違いない。
あの子が————奈苗ちゃんが、普通の子供、ならの話になるけど。
「気をつかわないで。」
麻衣が 吐き捨てるように言った。
「私…ともちゃんとエマとは、友達なんだって思ってた。」
「おい……」
「でも、違ってたみたい。本当は ただのクラスメートなんだよ。
エマもともちゃんも、私を見てないの。
翔君は 違う、って言うかもしれないけど、私は そうとしか思えないの。」
女の子って、こういう事を よく気にするんだと、ママは言っていた。
「そう、か。ごめん。役立たずで。」
これ以上の気の利いた台詞は、8年しか生きていない僕の口からは 出てこなかった。
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