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Re: COSMOS<ロック終了(*^^*)> ( No.145 )
日時: 2015/04/09 00:12
名前: Garnet (ID: 1Lh17cxz)

「何か、訳ありみたいだね。」
「え、えぇ、まあ。」
「口止めされてる理由は?」

奈苗ちゃんは、目つきを鋭くした。
内心は 何を考えているのだろう。そういうところは、お姉ちゃんよりもお母さん似だ。

誓った約束だけど、奈苗ちゃんならと 理由を明かすことにした。

「…私も、そんなに詳しく聞いたわけじゃないの。
 外交関係に関わってしまうかもしれないから、他言無用だって言われて。
 まあ、何を今さら、って感じだけど。」
「それで?」
「確か……この施設の創設者、みたいな存在のようね。
 日本人じゃないみたい。
 何処の国籍は分からないんだけど、凄いお金持ちの子どもなんだって。
 50年も前の話だし、嘘か否か、自信持って話せることでもないわよ。」
「外国籍の、お金持ちの家系…なかなか興味深い…」

彼女が面白そうに笑みを浮かべるのを見て、背中に冷や汗が垂れた。
お母さんを見てるみたい———

「あ、そういえば…」
「何?」
「おばあちゃんって、もし今も生きてたら何歳くらいになるの?」

本人に訊かれているようで気味が悪い。

「そうねぇ、70いくかいかないか、って処かな。」
「え?」

問いに答えた途端、奈苗ちゃんは 考え込んだ。

「計算は合ってると思うよ?」
「ん……でも———」

この子なりに、何かを考えていることに違いはない。
そして、モヤモヤの正体を思い出したのか、口を開こうとした、その時。

「鈴木さ〜ん、お風呂空いた〜」

戸がガラリと開けられ、男の子達が ぞろぞろと入ってくる。
その中にいた拓君が、ごめん、と手で合図を送ってきた。