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Re: COSMOS<ロック終了(*^^*)> ( No.151 )
日時: 2015/04/12 00:24
名前: Garnet (ID: vJF2azik)

「見ろよ見ろよ!去年やってた映画やってるぜ!」
「マジで?!」

部屋に入ってくるや否や、彼らはテレビのチャンネルを変えた。
お風呂に入ってるときに じゃんけんとかで決めているらしい。

「私も見たいけど、もう眠いや。」

奈苗ちゃんが欠伸して言った。

「そうだね。お休みなさい、奈苗ちゃん。」
「お休みなさぁい」

ガラリと戸が閉まり、小さな足音が聞こえなくなったと同時に、
お茶を飲みながら 拓君が話しかけてきた。

「鈴木さん、さっき話してたのって…」
「あぁ、ちょっとね。」
「そうか。…まぁ大丈夫だよ、皆は気付いてないから。」
「…ありがとね。そういえば拓君、最近髪が…」
「ん?」

“普通”の中にいると、自分では分からないものだ。
私もそうだったことがある。
なのに。

「茶色になったってか?」

わかってたみたい。

「嫌なんだ、父親アイツに似てきちまうの。だから 母親が大好きな奈苗が羨ましい。
 ………俺も、いつかなれるかなあ。奈苗みたいに。」

情けないよな、と悲しそうに呟き、拓君は コップを電気の光にかざした。

「でも、蘭のことは 嫌いじゃないから。」

彼は よろしくと言うように私にコップを持たせ、

「おい拓、見ないのか?」

と言ってくる俊哉君のもとへ、歩いていった。


拓君の髪が 皆より、妙に明るく見えた気がした。