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Re: COSMOS ( No.40 )
日時: 2015/04/23 17:47
名前: Garnet (ID: J/brDdUE)

きっと、あの時 お婆さんの言う通りにしなかったら、
こうして 当たり前のようには、生きていられなかったかもしれない。
昼休み、
水色の絵具で綺麗に塗られたような空を 私はそんな想いで見上げていた。

でもな…
何か引っかかるんだよなぁ…
誰かに似てた気がするんだけど…

「ともちゃん!!」
「知美!」
「トモー!」

いつもの声に振り向こうとすると、
視界が真っ暗になった。

「「だーれだっ」」

私のクラスでは、最近 これが流行っている。

「誰って…。
 麻衣ちゃんと翔君とエマでしょ?」
「もう。ともちゃんったら、相変わらずだね〜」

私が呆れ気味に答えると、麻衣ちゃんは 困ったように笑って、いつもより えくぼが浅くできた。

麻衣ちゃんは クラスの人気者だ。
足は速いし、絵が上手いし、みんなを惹きつける。
って…まるで 奈苗ちゃんみたい。でも、1つだけ違うところがある。

それは、
よく笑うこと——

「まーた何か考えてたなっ?」

今もこうして、笑ってる。
悪くはないけど、たまに 疲れちゃうんだよね。
これじゃあ 私が作り笑いをしているようで。

「ほんとだな。無表情になるから、すぐに分かるよ。」
「smileじゃなきゃ!」

2人も続けて言った。

翔君も、麻衣ちゃんと同じで、なんでもできちゃう子。
夫婦仲がすごく良い、って 他のママたちが噂してたのを、聞いたことがある。
小学校受験したらしいってのも、小耳に挟んだ。

エマは 最近転入してきた、アメリカ人。
パパと2人暮らしで頑張っている。
ストロベリーブロンドの髪に、青みがかった灰色の瞳が印象的な子だ。

「ああ、ちょっと 昔のこと思い出してたの。」
「ふうん…」

一瞬、麻衣ちゃんから笑顔が消えた。
後に これが、ちょっとした事件の発端になるんだけど、それは もう少し先の話。