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Re: COSMOS ( No.90 )
日時: 2015/02/24 21:48
名前: Garnet (ID: F3o31y5l)

空気が凍るような夜。
雪雲はすっかり払いのけられ、満天の星空が広がっている。
蠍を追い続けるオリオンも 今はゆったりと宇宙を廻る。

夏の 天の川も好きだけど、私は 冬の星空が一番好き。

「話…聞かせて。」

知美ちゃんが ドアを開けて入ってきた。

不思議な感覚。
ちょっと前まで 一緒に寝ていたのに、今は 慣れない感じだ。

「私ね。大事なことに気がついた。」
「…そう。」

やっぱり、知美ちゃんが 一番大切な友達。
…いや、家族だ。

「これからは、もっと…もっと、感謝して生きていくよ。
 こんな境遇だからって、言い訳しない。
 伝えたいの。ありがとう、って。これは『COSMOS』を知った者の使命だから。」

流れ星が1つ、星屑の中を駆け抜けた。

「ふふ…っ」

知美ちゃんが 微かに笑った。

「やっと戻った。
 帰って来てから元気ないから、心配したんだよ?
 それでこそ奈苗ちゃんだ。」

見上げている空が、じわりと滲んでしまった。


いつかきっと、見つけるからね。