コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 空の犬と私 ( No.2 )
- 日時: 2014/12/25 13:51
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: LsId3ZV3)
(続き)
友達がいない私には、アオイは初めての本当の友達だった。
でも、この犬不思議!!
成長するほど、晴れた日の空の色みたいな、濃い水色に近づいていくし、しかも一匹の時はずっーと空を見上げちゃって。
しかも、驚くくらいのジャンプ力!!
ちっちゃい、アオイはどちらかといえば、小型犬なのに、中型犬用のゲージ、ジャンプしてこえちゃうんだよね。
だから、特大、大型犬用より大きいゲージにしたのよね…。
アオイを獣医に診せたら、「色素の遺伝子がおかしい」なんて言われるし…。
でも、アオイは私の大切な、大好きな友達。
そう思いふけってアオイをなでていた。
そして「アオイ、遊ぼう!!」とボールを持って声をかけたら…、
アオイのブルーの背中から真っ白の翼が!
「え!!」
そして、
アオイは小さな脚で走り出した!!
「アオイ、待って!」
「クォン!!クゥーン」
それは、アオイの「さよなら」のように思えた。
私の脚が、勝手に動く。
頑張って、ガ、ガ、ガンバって、
もう舌が回らない!!
頑張って、走んなきゃ、ワ、タ、シ!
「ハァ、ハァー」
やっと止まれた。
アオイが、1年前私がアオイを拾った、あの場所で止まったと思いきや、生えていた翼で空に向かったはばたいた!
「えっそんな!!」
私はもういやでいやで、はなれるのがいやで、アオイの短いしっぽをつかもうとした。
よし、つかめたよ!!
「アオイ!アオイ!」
下へ引き寄せようと思ったら、しっぽが…、
伸びた!
どんどん伸びて30㎝くらい伸びた!
私の足が地面から離れる。
もしかして…
「アオイ、どこ行くの!」
もう10mくらい地面から離れてるよ!
アオイは上を向いて飛び続ける。
10mどこじゃない、もっとはなれてる。
アオイのしっぽ離したら、死ぬし…。
とは言っても、
どこへ行くか分からない。
(でもアオイと離れたくない。こんまま行っちゃう?)
「アオイ〜!!」
「ワン!!」
そのアオイの鳴き声は「だいじょうぶ、心配しないで」のように思えた。
どこ行くの?
戻ろうよ。
私といっしょにずっと暮らそうよ!
そう叫ぼうとしたけど、アオイのしっぽに、つかまったまま空を飛んでるしかなかった。
アオイ、本当に君って犬なの?
ブルーだったり、翼が生えたり、あんた不思議なことばっかりだよ!
もうどこまで行っただろう。
おそるおそる下を見てみたら…
あ、私の家、豆つぶみたいじゃん。
私の住んでいる街、全体が見える…。
何mとか言えるもんじゃない。
「アオイ、ど、どこ行くの?」
「ワン!!」