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Re: 恋乃手紙 ( No.1 )
日時: 2014/12/27 13:46
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: eineYqmO)

1.8年前
5歳のとき、だったろうか。

私は、独り、夕方の公園のブランコに座って、泣いていた。
「どうしたの?」
声がした。
下に向けていた顔を上げると、
サッカーボールを持っている男の子が立っていた。
「となり、すわっていい?」
男の子は、私の隣のブランコに座った。
ギシッと鎖の音が、一瞬聞こえた。
「きょう、わたし、ひっこしてきたの。それで、まえのいえで、かってたネコをおいてきちゃたの。」
「だから、ないてるの?」
私は答えなかった。
「ボク、いえ、ここらへんなんだ。きみは?」
男の子が聞いた。
「わたしも。」
「じゃあ、いっしょに、かえろう。」
男の子は、私に手を差し出した。
私はその手に、自分の手をのせた。
男の子が、私の手を引っ張る。
「ボク、やまうえ ゆうき。キミは?」
「わたし、さいとう すみれ。」
真っ赤な夕陽が見える日、私はゆうき君と肩を並べて歩いて、帰った。

これが、私・斎藤 澄怜と私の幼なじみ・山上 有季の出会いだった。