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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋乃手紙 ( No.10 )
- 日時: 2015/01/13 07:53
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: eineYqmO)
私は、テニスコートの、公園の東屋のような小屋に向かった。
テニス部は、先輩がウォーミングアップのランニングをしている間、1年生が小屋で、ボールの空気入れを行う。
小屋は用具入れで陰になっているし、顧問は5時を過ぎてからじゃないと来ないし、2年生も5時まで自由練習だ。
つまり…
…?
「見て見て、このプリぃ〜」
麗子が、みんなにプリクラを見せている。
ちらっと、こっちを見てきた。
すんごい笑顔だけど、意地悪そうな顔。
みんなボールの準備をせずに、麗子の話を聞いている。
「ほんと、有季と麗子ってラブラブだねぇ。」
有季と麗子のプリクラのようだ。
「そうぉ、先週の日曜日、一緒に遊んだのぉ。」
自慢しながら、こっちを麗子が、チラチラと見ている。
私が、有季のことを好きだったのを感じ取っていたようで、私を怒らせたいから、みたいだ。
そんなことは分かっていた。
けれど、麗子が持っている一枚の紙切れが、有季と私の距離が、どんどん遠くなっているのを表してるみたいで、悲しかった。
私はカバンを下ろし、空気入れを取って、ボールに空気をどんどん入れた。
☆
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