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Re: 恋乃手紙 ( No.33 )
日時: 2015/01/28 09:10
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

「ピーッ。」
試合開始のホイッスル。
決勝戦。
頑張って、七中!

ボールを、我が七中の3番が維持。
ゴールを狙うも、ゴールキーパーに止められる…。

さすがは、決勝。

相手は、昔からの強豪校。
対するは決勝初出場の七中。

前半と後半で、勝敗は決まらず、PK戦となるみたい。
会場が静かになった。
相手チームから蹴り始めるらしい。

相手:1人目、成功。
七中:1人目、失敗。

頑張って!

相手:2人目、失敗。
七中:2人目、成功。

相手:3人目、失敗。
七中:3人目、成功。

相手:4人目、成功。
七中:4人目、失敗。

2-2。
次で決まる…。

相手:5人目、成功。

有季が出てきた。
5人目は有季らしい。
次、失敗すれば、相手の優勝が確定する。

有季は、ボールを見つめ、息をゆっくり吐いている。

そして、ボールを蹴った。




ボールは、ゴールに入らなかった。



七中は、準優勝となった。

全校がバスに乗り込むとき、出場選手が全員、一列に並んだ。
準決勝だったが、県大会出場は決定した。
そのおかげか、みんな笑顔だ。

でも有季は笑顔じゃない。

無表情だった。

私には分かる。
あれは、めちゃくちゃ悔しい時の顔だ。

「応援ありがとうございましたー。」
「ありがとうございましたー。」

バスに乗り込むサッカー部は、笑顔で、お互いの笑顔を見ていた。
有季は、どこも見ていなかった。

「澄怜、ほら、乗るよ!」
麗子に言われ、有季を見ていた私はハッと気づき、バスに乗り込んだ。