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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋乃手紙【9章目突入!】 ( No.61 )
- 日時: 2015/04/05 14:56
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
文化祭当日。
合唱発表会が終わり、自由に回る時間となった。
麗子と俊は、係と委員会で、それぞれいない。
有季と私で、最初行動することになった。
廊下は、生徒の親が来ているはずなのに、生徒たちでごった返していた。
「見て見て有季!あたし達のクラス、ポスターも新聞も金賞だよ!」
「みんな頑張ってたもんな。」
「有季は喫茶係だよね?」
「うん。昨日、集まりがあって、注文の聞き方とか先生たちに教えてもらったけど、案外簡単そうだ。」
「へえ。」
と話しながら、私たちは教室を出て行く。
「次はどこのクラス行く?」
「…」
有季は答えない。
「有季?」
有季はそのままひと気のないところへ歩いていく。
それにとりあえずついていく。
「何でそっち行くの?」
それまで、前を見てずんずん歩いていた有季が、振り返った。
「なあ、澄怜。」
「うん?」
「もう一回だけでいいから、俺が、お前の一番そばにいる人間に、なってもいいかな?」
そう言っている有季は、本当に真剣な顔でこちらを見ていた。
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