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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋乃手紙【9章目突入!】 ( No.63 )
- 日時: 2015/04/05 15:40
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
*
〈ごめんね。別れよう。〉
この時がいつか来ると思っていた。
『澄怜はね、自分が有季のことをまだ好きなことに、気づいていないんだよ。』
映画館で、麗子に言われた一言。
そうだろうと、麗子に言われる前から、俺は思っていた。
有季は中学に入ってから、いや、たぶんもっと前から、澄怜のことが好きだったんだと思う。
『俺、澄怜のことが好きなんだ。』
部活終わり小さな声で告げられた、有季の一言。
何でだよ。
俺だって澄怜のこと好きなのに。
夏休みに入る前、有季は麗子に告られて、澄怜のことが好きなのに、麗子と付き合い始めた。
2学期に入ってから、澄怜は俺に告られて、有季のことが好きなのに、俺と付き合い始めた。
2人ともお人好しなんだ。
他の人が好きなのに、好きでもない人に告られたら、その人と付き合っちゃうんだ。
…いくらカッコつけたって、いくらキスしたって、ダメなんだ。
ああ、もう。
後の祭りなんだ。
クイッと、俺はメガネを上げた。
〈うん。今まで楽しかったぜ。ありがとう。〉
俺は、そう打って、送信ボタンをタップした。
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