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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 恋乃手紙【完結!番外編近々公開!】 ( No.68 )
- 日時: 2015/04/08 06:48
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: 7NcgQhKb)
12.恋乃手紙・番外編
自分が、なんとなく、男子に好まれる女子であることは自覚している。
小学生の頃から、何回も告られて、何回も振った。
でも、私が好きな人は、私のことなんて眼中にないどころか、他の女子のことが好き、というのが常だった。
いいなぁ。
中学に入って、有季のことを好きになった。
告って、付き合うことになった。
でも、有季は、澄怜のことが好きで大事でたまらないのが、丸分かりだった。
私は、他の人を大事にしている人ばかり、好きになってしまう。
有季に振られたときのことを、思い出す。
『麗子、ごめんな。別れよう。』
『分かってたよ!有季はずっと澄怜のこと好きなんでしょ!?』
怒鳴ってしまった自分が恥ずかしい。
『やっぱり、俺は自分に嘘をつけないんだ。』
有季は静かに言って、立ち去った。
私は、また、他の女子を好きな男子を好きになってしまった。
…私は、俊に恋してしまった。
俊を見ると、ドキドキして、ちょっとだけ恥ずかしくて、だけど嬉しくなってしまう。
早く俊と澄怜が別れたらいいのに、なんて思ってしまう。
やがて、俊と澄怜は別れて、澄怜は有季と付き合い始めた。
だけど、俊に告る勇気は出てこなかった。
……同じ高校に行けたら、告る。
それから、私は勉強をとにかく頑張った。
頭の悪い私が、私より頭のいい俊に追いつくために。
同じ高校に行くために。
幸い、2年生のクラス替えがあっても、俊とは同じクラスだったので、勉強の様子は伺い知ることができた。
どんどん、私の成績は上がって行き、120人中80位だった私は、中2の秋には、俊と同じくらいの20位くらいになっていた。
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