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Re: 獄寺啓という男。 ( No.10 )
日時: 2015/01/06 09:53
名前: 捨駒 (ID: PyqyMePO)




啓達の活躍が無いままに終わった戦闘。

腹を抑えながら啓はコーラを飲み続ける。余程お腹が空いているらしく、落ち込んだまま下を向いていた。

そんなことも知らず、円は涼しい顔をして同じくコーラを口にした女に話しかけた。

「月が綺麗ッスね。メリー。」
「そうね。明日の月は綺麗でしょうね。」


月が綺麗ですね…貴方を愛してます。
明日の月は綺麗でしょうね…殺す。

「あ…暖かいッスねェ!!」
「星が綺麗ね…フフフ…」


暖かいですね…貴方が側にいてくれて幸せです。
星が綺麗ですね…貴方は私の思いを知らないでしょうね。

「なんなんだよ!ふざけんなよ!」
「貴方には気がなくてよ。私は武人が好みでして。骨とは付き合えないわ。」

口元を大きく歪ませ笑ったメリーを恨ましく見た。

「魂を喰らう兄弟ねェ…」

興味深そうに円はメリーに言った。
静かに笑った彼女は月を見つめ、コーラをまた飲んだ。

白銀に光る月は幻想的であり、彼女の髪を綺羅びやかに魅せた。いいムードの中、録画しておいた年末特番の罰ゲームの音が後ろで鳴る。
そんな事すらどうでもよくしてくれた。

「さっきの、ガチだから。」

返ってきた答えは数日間落ち込んでいた円を見れば一目でわかる。