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Re: 花言葉と約束と。〜孤独の姫と悠久の執事〜 ( No.10 )
日時: 2015/02/13 14:40
名前: 彼方 (ID: SrUKMM4y)

と。アイビーが急いた様子で戻って来た。
「お待たせさせてしまい、申し訳ございません」
「構わないけど、何をしに行ってたのよ?」
するとアイビーは、後ろで隠し持っていたものを私に差し出した。

「お嬢様は花などがお好きなので、花言葉にも興味がお有りかと思いまして。花の絵と名前、それから花言葉が載った本を取ってまいりました」
「はなことば?何なのそれ」
私が尋ねると、アイビーは立て板に水の説明をした。
「花言葉とは、それぞれの花や樹木、草などの特徴、特性に基づいて象徴的な意味を持たせた言葉のことでございます。例えば、薔薇は愛、オリーブは平和、といった様に、花には様々な意味が込められているのです。その本は、そういったものがまとめられております。その本が、お嬢様のお気に召されれば幸いでございます」

花には様々な意味が込められている、か。なんだかわくわくしてきた。
「面白そうね。……私は今からこれを読むから、もう行っていいわ」
言うなり、私は本を開き、目を落とした。

「はい。失礼いたします。また何かご用があれば、お呼びください」
アイビーはそう言い、一礼して静かに去って行った。