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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Eternal flowerー花言葉と約束と。ー ( No.23 )
- 日時: 2015/01/02 22:06
- 名前: 彼方 (ID: XnbZDj7O)
誰か、王子様みたいな人がこの花を置いていて、私のことを、この部屋から連れ出してくれたら__。
それこそお伽話であり得ないけれど。
もし、もしも。そうだったら、私の願いが一度に一気に叶うのになぁ……。
外に出て、愛する人と、広い広い海や高い高い空を見たい。それが決して叶わない、ささやかな私の願いだ。
もちろん、この部屋が嫌いな訳じゃない。むしろ居心地はよくて好きだ。でも、怖い。すごく怖い。
まるで時間が進んでいないかのような日々が続くのだ。延々と、多分私が老いて死ぬまで、ずっと。
温かくて居心地がいいけど、変化が無さ過ぎて。そのまま腐って、腐って、腐り落ちてしまいそうなのだ。
一種の呪いだ、これは。それか、拷問だ。
何も変わらない、何も生み出さない、非生産的な日常。
それが続いて、続いて、惰性のみで日々を生きる。
「何のために生きればいい」なんて青臭い自分への問いかけの答えも、一生出せない。
「お金を無駄遣いするばかりで、何も生み出さない、私の存在意義は何だろう」なんて一生苦しみながら、腐り落ちて死ぬんだ。
多分、そんな人生なんだろう。
そうなる前に。外へ出たい。外へ出て、大きすぎる空や海を見てみたい。そして、自分の悩みのちっぽけさを笑い飛ばしたい。
でもそれは叶わない。それが何故なのかすら、知るのを許されない。
生きる意味が無いなら、いっそ死んでしまいたい。しかし、死ぬことすら出来ない。
あぁ、生き地獄じゃないか。何も考えずに生きられたらなあ。
じゃないと、答えの出る訳がない問いかけに一生苦しんで、そのまま狂って壊れてしまいそうだ。
「………う様、……嬢様、お嬢様ッ!」
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