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Re: Eternal flowerー花言葉と君と。ー【挿し絵付!】 ( No.34 )
日時: 2015/01/05 11:34
名前: 彼方 (ID: 9RGzBqtH)

「お嬢様。朝食をお持ちしました」
「……あ。ありがとう。……あれ?今日の食事、少し貧相じゃない?」
朝食は、いつもより品数も少なければ、手の凝りようも違った。
するとアイビーは慌てて頭を下げた。
「申し訳ございません!」
「別に、文句を言ってる訳じゃないからいいわよ。ただ、理由を聞かせてくれる?」

苦笑しながら私が言うと、アイビーは弱り切った表情をした。しかし、言葉を探すようにして絞り出した。
「実はその……、半分ほどの料理人達が……、ええと、辞めて、しまいまして」
「半分の料理人が辞めたの!それは食事も貧相になるわね。ストライキでも起こしたのかしら?」
「恐らく。困ったものでございますね」
私が愉快そうに言うと、アイビーは安堵の色を見せ、すぐに微笑んで言った。

アイビーは私が怒るとでも思ったのだろうか。私はそんなに心が狭いとでも思われてるのだろうか。
少し、淋しく思った。

「アイビー、私がそんなことで怒るとでも思ったの?」
訊くと、すぐにアイビーはかぶりを振った。
「とんでもございません。お嬢様は、そのような心の狭い方では無いと存じておりますので」

では何故、あんなに困ったような表情をしていたのだろうか。何か、他に言いたくないことでもあるのだろうか。
__まあ、いいか。気にしても仕方ない。誰にでも、隠し事の一つや二つあるだろう。
でも、何故か淋しい。