コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: Eternal flowerー花言葉と君と。ー【挿し絵付!】 ( No.45 )
日時: 2015/09/17 19:52
名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)

……また、だ。また、執事が一人辞めた。
ふぅー、と長く息を吐く。これで何度目だろうか。いつもいつも、3ヶ月ももたないで皆辞めていっていく。

少し前に辞めた執事は、辞める一週間前から酷く体調が悪そうだったので、少し来なくても「あぁ、体調崩して休んでるのかな」としか思わなかった。まさか、辞めたとは。
そこまで、私の世話をするのは嫌な事なのだろうか。それとも、私は一生このままで、孤独なままなのだろうか。
……しかし、遅い。いつもなら、二日も空けないで他の人が雇われてくるのに、もう一週間も待たされている。
ああ、遂に仕えたい人がいなくなったのだろうか。このまま私は一人で死んでいくのかな……?
空は、そんな私の心情なんて知りもしないで、馬鹿みたいに澄み切っている。
ああ、本当に馬鹿みたいだ。何で生きてるんだろう。

ふと。
コンコン、とノックの音が響いた。
「失礼します」
そう、声が聞こえた。若い男の人の声だ。落ち着いた、優しい声だった。
新しい執事が来たのだろう。まあでも、どうせすぐ辞めていくのだから、どうでもいい。

ドアが静かに開く。ぎいいい、と重苦しい音を立てた。その扉の向こうにいたのは、やけに美麗な容貌をした、男の人だった。
彼は、15、16歳くらいの年齢だろうか。生い茂る若葉のような色をした髪をしていた。そして、銀色の優しげな、でも何処か寂しげな瞳でこちらを見つめていた。