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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Eternal flowerー花言葉と君と。ー【挿し絵付!】 ( No.46 )
- 日時: 2015/08/27 21:30
- 名前: 彼方 (ID: hzhul6b3)
「……あなた、誰?」
私はそう声を発した。
彼は跪き、言葉を紡いだ。
「僕は本日より貴女様にお仕えすることになった者です、エリカお嬢様」
私は、興味が無いということがありありと分かるであろう声色で「ふうん」と呟いた。
そんな言葉はもう何度も聞いた。そして、皆例外なく辞めていった。だから、もう関心を持たないことにした。すぐ辞める人をいちいち気にしてどうするんだ。
「まぁ、どうせ他の者共のようにすぐ辞めるんでしょう。……名前は何?」
次の瞬間、彼は顔を歪めた。まるで何か、苦いものでも丸呑みさせられたような、苦悶に満ちた表情だった。そんなに自分の名前が嫌いなのだろうか。
しかし、彼は正直に告げた。
「アイビーです」
私はまた、「ふうん」と呟いた。しかし、さっきのとは意味合いが違う。
アイビーって、確か、緑色の可愛い形をしたツタだったはず。色々なところに巻きつく、緑と白い斑のコントラストがきれいな可愛い植物の。私はあれが嫌いじゃない。というか、結構好きだ。
「……いい名前ね」
そう言うと、私はほんの少し笑んでみせた。
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