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月詠は深呼吸をし、覚悟を決めたように俺を見つめた。何かこっちまで緊張する。そして、月詠は口を開いた。

「吉岡くんっ、好きですっ。付き合って下さいっ！」
凛と響いた月詠の声が何度もが脳内でリピートされ、六回目ぐらいでようやく理解した。……待って待って。今の、俺の幻聴とか妄想とかじゃないよな？夢オチとかじゃないよな？現実だよな？
「…………マジでっ？」
考えた挙句、馬鹿な俺はそんな間抜けな返ししか出来なかった。
「マジですっ！」
そしてそれに真剣に返す月詠。
……えーと。俺の脳の回路はショート寸前だ。何て返そう。というかYesとNoどっちにしよう。
もちろん付き合えるなら喜んで付き合いたいが……、果たして俺なんかが月詠の彼氏になっていいのだろうか。全くもって釣り合わないだろう。
そもそも何で俺？と当たり前の疑問が頭を占める。
「何で俺？」
そう尋ねると、月詠は勢い良く、
「えとっ、吉岡くんは、かっこいいし、優しいし、明るいし、体育の時間とか部活とか、すっごくかっこいいからですっ！」
と言った。
……参ったな。