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「そうだ、友哉。今週の土曜空いてる？」
桃音が休み時間、そう切り出してきた。
少し考え込んでから、返事した。
「今週の土曜か？……おう、空いてんよ」
「じゃあちょっと荷物持ち手伝いなさい！別に他意はないからね！あくまで、荷物持ちとしてだからっ！！」
桃音がやけに念を押して言った。
「ん、りょーかい」
しかし、わざわざ荷物持ちを欲しがるなんて……、そんなに買うつもりなんだろうか。疲れそうだなぁ。
「あのっ、友哉くんっ！土曜日、わたしと遊園地行きませんかっ？」
唯が話に割り込んできた。
「え？えっと……」
「だ、だめよっ！土曜はあたしが友哉に荷物持ちしてもらうんだからっ！」
「荷物持ちなんて、他の人でもいいじゃないですかっ！わたしは友哉くんじゃないとダメなんです！友哉くんと行きたいんです！」
「でっ……、でも！あたしの方が先に約束したしっ！」
「なら、桃音ちゃんは三澤くんとかに頼めばいいじゃないですかっ！何で友哉くんじゃないとダメなんですかっ？」
「そっ……、それは……っ」
俺が入り込む隙がない。
「えーっと、唯」
「はいっ」
「せっかくだけど、桃音と先に約束したし、今度でいいか？……それに俺、荷物持ちの方が性に合ってるしな」
唯途端に残念そうな顔をしたが、あっさり引き下がった。
「そう……ですか、分かりました。……でも！今度絶対遊園地行きましょうねっ！」
「おう。……来週とかでいいか？」
「はいっ」
桃音が、嬉しそうな、怒ってるような、複雑な表情をしていた。