コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: なるやん、時々へたつん。【オリキャラ募集!!】 ( No.28 )
- 日時: 2015/02/13 10:30
- 名前: 彼方 (ID: v2BiiJyf)
こちらへどうぞ、と通された席は、窓際の席だった。三階だからか、けっこう景色がきれいだった。
今日は晴れてんなあ。雲が真っ白で、数えるほどしか「ちょっと、聞いてんの!?」
「ごめんなさい聞いてませんでした」
こういう時は素直に謝るに限る。きっと俺の正直さを評価して、あまり桃音も怒らないはずだ「はあっ?何で聞いてないのよっ!?」
すごい剣幕で怒られた。おかしい。おかしいな。絶対おかしい。
「まことに申し訳ありませんでした」
「はあ……。まあいいけど」
あっさり許してくれた。あれ?桃音らしくないな。
「ねえ、今なんか失礼なこと考えてなかった?」
「滅相もございません」
やけに勘がいいな、くそっ。
「あと一個店行くからね!」
「え?どこ?」
「い、いいでしょどこでもっ!!」
やけに慌てた様子で桃音が言う。……何だかなー。
「……ん、了解」
「お待たせしました。海鮮ドリアと完熟トマトのハヤシライスでございます」
そう言われ料理を見ると、白い湯気が立っていて、急に腹が減っていることに気付かされた。
いただきます、と手を合わせ、食べようとしていると、桃音がこっちを見ていることに気付いた。
俺何かおかしなことしたか……あ、
「ハヤシライス食いてえの?」
「う、ううんっ!そんなのいらないわよっ!」
そう言いながらも、物欲しげに見ているので、
「遠慮すんなって。ほら」
と言いながらスプーンを差し出した。
「え、ええっ?ちょ、待って「ほら、口開けろ」
少し赤くなりながらも、桃音は素直に口を開けた。しばらく咀嚼して、飲み込むのを待ってから声をかけた。
「どーよ、美味いか?」
桃音は目を逸らしながら、ぼそっと呟いた。
「……うん、ありがと」
「ん。どういたしまして」
「あ、あんたが言うから仕方なく食べてあげただけよっ?」
「はいはい」
そう言いながら、食べ始めると、
「なっ……」
と桃音が絶句した。
「……何だよ。まだ何かあんのか?」
「それっ、あたしが口付けたやつっ……」
あぁ、確かに桃音に一口食わせたけど、別に俺気にしないしなあ。
「ん?あぁ、別にいーよ。桃音なら」
「……っ」
何でか桃音は赤くなって固まってしまった。
「……何だよっ?」
「なっ、何でもないわよ!馬鹿友哉!!」
桃音がテーブルの下でげしげし蹴ってきた。
「いってっ!!んだよ蹴んなよ!」
「この馬鹿友哉っ!バーカバーカ」
結局、俺は始終蹴られながらハヤシライスを食う羽目になった。俺が何したっていうんだ。