コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: なるやん、時々へたつん。【オリキャラ募集!!】 ( No.29 )
- 日時: 2015/02/13 10:32
- 名前: 彼方 (ID: v2BiiJyf)
食事を終わらせて、会計を済ませようと伝票を見て、財布の中身を見て、少し安心する。……よかった。二人分払っても無くならない程度には金欠じゃない。
「あ、じゃああたしの分は……えーっと……」
と桃音が伝票を確認しようとしていたので、さっと取り上げてレジに並ぶ。
「え、あたしまだお金出してないよ?」
と問いかけてきたので、
「ああ、気にすんなよ。お前今日すげえ金使ってたじゃん。俺が食事代ぐらい払ってやんよ」
と言って代金を支払う。
桃音は驚いて、首を振った。
「い、いいよいいよ。それぐらいあたしだって払えるしっ」
「ファミレスの食事代ぐらい、遠慮すんなよ。どっかのフレンチレストランとかだったらさすがにあれだけどな」
ははっと笑ってこの話題を終わらせて、レジを離れる。
桃音はもごもご何かを言って歩き始めた。
「んで?」
ファミレスを出ながら俺は桃音に尋ねた。
「……何よ」
何故か不機嫌そうに桃音が呟く。
「次どこ行くんだ?」
すると桃音は視線を泳がせながらもごもごと何かを言った。
「……何だよ?」
「な、なんでもないっ!黙って付いてきなさいよね!!」
「お、おう……?」
何か腑に落ちないな。……まあいいか。俺は桃音の言うとおりに黙って付いて行くことにした。
「あれ?ここスポーツ用品店……だよな?」
てっきりまた何ちゃらとかいう洋服のブランド店に行くと思ったが。ちょっと意外だ。
「そうよ。何か文句ある!?」
「へっ?い、いや、ありません……」
何で怒鳴られたんだ、俺、と首を傾ける。
「ほら、さっさと付いてくる!」
「は、はい!」
急かされながら着いた売り場は、スポーツバッグの売り場だった。
スポーツバッグか。確か、桃音もバレー部だったな。だからか。
そういや、俺のバッグボロくなってたっけな。あとで買い替えにこよう。
あー、この桃音が選んでる時間ってほんと暇だなー、とため息を吐きかけたその時、桃音から声が飛んできた。
「友哉っ!色何色か選びなさい!」
「え?何、決まんねえの?」
「いいから早くっ!」
桃音が口をへの字にしながら急かす。
「えーっと、じゃあ、この黄色と青のやつかなー……?」
「……このバッグの中でそれが一番?」
やけに慎重な顔で桃音が訊く。
「俺はそれが一番だと思うけど……、あーでも俺の好み言ってもしょうがねえよなあ。うーん……」
「友哉はこれが一番なんでしょっ?」
桃音は友哉は、の部分を強調して言った。
「ん、そうだけど「あっそ」
興味の無さそうな顔で呟くと、桃音はさっさとそのバッグをレジに持っていって、会計を済ませた。
「え、お、おい、桃音はそれでいいのかよ」
俺が慌てて言うと、桃音は不機嫌そうな顔で鼻を鳴らした。
「そんなんあたしの勝手でしょっ?何か文句あるの?」
「え、いや、別に」
いくら興味の無さそうな態度とられても、俺が選んだものを買ってくれるって何か嬉しいな、と思わず顔を緩ませてしまう。
ちょっと変に意識してしまうのはおかしいだろうか。____おかしいな、うん。それに桃音に限ってそんなことないか。変に期待するだけ無駄だな。