コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: なるやん、時々へたつん。【オリキャラ募集!!】 ( No.30 )
日時: 2015/02/13 20:52
名前: 彼方 (ID: MGziJzKY)

「……何にやにやしてんの。キモい」
桃音は俺をじとっと睨んだ。
「あ、ああいや、何でもない」
「さっさと帰るわよ、ほらっ」
手を繋がれ、引っ張られる。
桃音から手を繋がれたことに少し驚いて、桃音を見つめ返してしまう。
「何よ」
言うべきなのか迷い、言ったら機嫌が悪くなりそうなので、
「いや、何でも」
とお茶を濁しておいた。

手から桃音の体温が伝わってくる。桃音の手は柔らかくて、女子っていう感じがした。変に緊張するっていうか、ドキドキするっていうか、とにかく多分今俺、動揺してる。

しかし、周りの視線が気になって仕方ない。リア充とでも思われてるんじゃないか。俺は構わないけど……、あれ?構わないってどういう意味だ?俺、まさか、あれ?……混乱してきた。とりあえず考えるのは保留にしとこう。
____それにしても、桃音は何も気にならないんだろうか。そっぽを向いていて、表情が読み取れない。

そうこうするうちにショッピングセンターの外に出た。
繋いだ手を放すのがちょっと名残惜しいなあと思っていると、桃音が不意にピタッと動きを止めた。
繋いだ手と俺の間で視線をうろうろさせて、ひどく動揺したように呟く。
「……い、いつからっ……!?」
何言ってるんだと思いながら俺は言った。
「え?いつからって、スポーツ用品店出た辺りから、だろ?桃音から繋いできたんだろうが」
「へっ!?____待って、あたしから手繋いで、ずっとそのまんまだったのっ?」
「う、うん」
桃音は動きを停止したまま、顔をどんどん赤くしていって、ゆでだこみたいになった。
「お、おい、大丈夫か?ゆでだこみたいになってるけど」
「____っ!?」
無言の叫びを上げて、桃音が手を振りほどいて走り去って行った。

「あー、おい!ちょっと待てよ!」
その言葉に反応したのか、桃音は動きを止め、また走って戻ってきた。
そして、何かを言いたそうな素振りを見せた。

「えーっと、あー……、あのね、そのっ……、うー……」
「……何だよ?」
俺が問いかけると、さっきのゆでだこよりも赤い顔で桃音が何かを差し出してきた。これは……、さっき買ったスポーツバッグ?