コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: なるやん、時々へたつん。【オリキャラ募集!!】 ( No.51 )
日時: 2015/12/31 00:18
名前: 彼方 (ID: dzyZ6unJ)

最初に忠告しておきます、優人くんがひっどいくらいのキャラ崩壊します← 唯とことりんと陽太の比じゃないです((((
正義さん怒っていいですよ?怒っていいですからね?←
だって、ただのお人好しじゃ逆に扱い辛いんですもん……!!←
あと、今唯ちゃんの中二病設定がどこか遠くへ消え去っているの気付いたんで、今更ですが出してみます!((((



第6話「恋心に変わった日」



『ゆうさーん!』『ゆうさんゆうさん!』『お願いゆうさーん!』『ゆうさんしかいない!』『頼りにしてるよゆうさん!』
「…………また、か……」
僕はそうため息を吐いた。
今日は数学と社会の問題集の答えを貸し、英語のノートも貸し、図書委員の図書新聞の文章を考え、理科室の用具整理の手伝いをする羽目になった。
こんなにやってしまう理由は簡単、頼まれると断れないから。
信頼されているのか、便利に使われているのか。どちらでもいいが、それで皆が喜んでくれるならそれでいいと思ってしまうから断れないんだろう。
ていうか、地味に先生まで僕に仕事を手伝わせないでくださいよ。

中嶋、という名字が何故かクラスに三人いたため、優人という名前から『ゆうさん』という呼び名が広まり、ゆうさんと呼ばれている。
僕は密かに『ぞうさん』みたいだと思っているが。
僕は小さい頃からずっと、自分のお人好しさに困っている。
一人暮らしで自炊してて忙しいってのに、クラス委員長を頼まれ、なってしまった。さすがに生徒会は断ったが。
そのせいで、周りから下される評価はいつも『優しい人』もしくは『お人好し』だ。
別に嫌じゃないが、少しイラついて舌打ちしただけで、周りが事故でも見たかのように騒ぐのは少し辛い。
そんなに僕が怒っちゃダメなんですか。


そんな僕だが、実はドルオタなのだ。それも推しメンが『Blue Night』というグループの『月詠 唯』だ。そう、僕と同じクラスの。
つっくー(ファンの中ではこう呼ばれている)の倍率は驚くほど高い。ドルオタ以外からも絶大な人気を誇っている。
当然、高校にファンクラブも存在している。僕?僕は入ったらドルオタだとバレるから入ってない。公式のはもちろん入っているが。
何故つっくーが推しメンかと言うと、つっくーは何度見てもその度に惚れるような美少女だからだ。栗色の柔らかくウェーブのかかった髪に夕闇を写し取ったような瞳にそれを縁取る長く上の向いた睫毛にすっと通った涼やかな鼻梁に桜色のうるうるとした唇にマシュマロのような質感でいてすらっと細く長い手足に出るところはしっかりと出た体にそして陶器のようで真っ白な肌に形のいい小ぶりな耳に染み渡るように落ち着いた優しい声に……これ以上はキリがないので自重させてもらう。
さらに性格までいい。大体アイドルと言ったら腹黒いが、黒さが全くない。性格について語りだしたら止まらないのでこれも自重させてもらう。
僕は割と真剣に、つっくーはなんらかのトラブルで人間として生まれてしまった天使なんだと考えている。それか、妖精の血が入っているに違いない。

だが、僕はつっくーと付き合いたいなんて微塵も思っていない。つっくーと僕が付き合えたとして、つっくーを汚してしまうだけだろう。
僕によってつっくーが汚れてしまうのは心苦し____いや、むしろイイかもしれない。
だがこれを考え過ぎるとアブナイ方向に行ってしまうので、自重させてもらう。
つっくーの姿を見るだけで心が浄化されたような気分になるので、僕はそれだけで十分だ。
というかつっくーは、見るだけで人を浄化させる力があるんだと思う。前世または今、天使か妖精なのは間違いない。

つっくーはどうやら、同じクラスの吉岡 友哉と付き合っているらしい。
一度吉岡さんは教室内で否定していたが、ほぼ毎日一緒に登校している。これで付き合っていないはずがない、というのがクラス中の共通認識となりつつある。
もしロクでもない男がつっくーと付き合ってるのなら、つっくーファンの一人として全力で邪魔をするが、吉岡さんなら問題はないだろう。

吉岡さんは「実は読モやってるんですよ」と言えば百人中九十人以上は間違いなく納得するような容姿をしている。
性格だって悪い噂を聞いたことは全くない。むしろ、性格までイケメンなんて話をよく聞く。
ただ、時々謙遜にしては卑屈過ぎることを言うという。例えば、吉岡さんをある女子が「イケメン」などと褒めた時、吉岡さんは
「……ごめん 、嫌味言いたくなるほどにイラつくことした、俺?できれば俺が何したか教えてくんね?」
などとのたまったらしい。どうやったらそんな解釈できるのか知りたいものだ。

……話を戻そう。つまり、僕が言いたいのは「つっくーのことは大好きだけど、付き合いたいとは全く思っていない」ということだ。
以前までは。
そう、とあることがきっかけで、つっくーへの気持ちが偶像崇拝から恋心へと変わってしまったのだ。全く、倍率が高過ぎるから最初からどうにかこうにか諦めていたというのに。

話は数日前に遡る____