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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.37 )
- 日時: 2015/02/08 18:36
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: xPB60wBu)
- 参照: episode3:生徒会のしごと
「じゃあまず部活をしているところを見て部活の予算を決めるよ。あ、勿論先生付きでね」
難関かと思われた遥先輩との行動は、意外と楽だった。
教え方うまいし、……優しい? し。
職員室前廊下で待つと、
「おーすまん待たせた」
と軽い篠原先生登場。
「いいえそんなに待ってませんよ。外部活からいきましょうか?」
スムーズに行くはずだった部活動見学ーー私が甘く見すぎだということを、私はすぐに知ることとなる。
「きゃー! 遥さーん!」
まずはテニス部、とコートの近くに立つと上がる黄色い歓声。
後ろの方から
「梓ちゃーん!」
と野太い声が聞こえるから不思議だ。はは。
私は甘く見ていた……遥先輩、生徒会のモテのポテンシャルを。
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.38 )
- 日時: 2015/02/08 18:37
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: xPB60wBu)
- 参照: episode3:生徒会のしごと
「遥と黛はモテるなあー」
呑気に言う篠原先生。
の……呑気すぎるよ。ぶん殴りたい。
「あー、梓ちゃんじゃーん」
そのとき。
テニス部を見学していたらしいクラスの女子数人が私に手を振った。
「みんな」
軽く手を振り返すと、「まじで生徒会入ったんだね」と、女子の一人に言われた。
……七海さんだ。
「うん。まあね。会計だよ」
「ああ、だから遥さんと一緒なのね」
こんにちはとみんな遥さんに挨拶をした。
1オクターブくらい高くなった声にビビリながらも、「そうそう」と返す。
「どうも。みんな梓ちゃんとお友達?」
「そうでーす」
七海さんがとても高い声を出した。
いやいや私七海さんと1:1で喋ったこと一度もないけど!?
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.39 )
- 日時: 2015/02/08 18:48
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: xPB60wBu)
- 参照: episode3:生徒会のしごと
「へえ、そうなんだ。梓ちゃん友達多そうだもんね」
「そうなんですよー。梓ちゃん可愛いし優しいし頭いいしもうほんっと完璧で!」
その後もぺらぺらと私を褒める女子たち、それを興味深そうに聴く遥先輩。
それを見て、私は気づかれないようにため息をついた。
——そんなに私を使って遥先輩に近づきたいのかよ……。
女子ってほんとある意味すげえとイライラし始める。と、隣にいた篠原先生が笑った。
「黛も、……遥も。大変だなあ、お前ら。見てみろよあの迷惑そうな顔」
篠原先生に言われて、遥先輩の顔を覗き見ると、……あー、確かに。
ニコニコ顔だけど、それが逆に威圧感があって。
裏を返せば「早く話終わらせろよ」って顔だね。
「ほんと迷惑だよなあ。……わかりきってることを言われるのは」
ちょっとびっくりして篠原先生の顔を見た。
篤にいのような意地の悪い顔。
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.40 )
- 日時: 2015/02/08 18:53
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: xPB60wBu)
- 参照: episode3:生徒会のしごと
「お前が可愛いなんて見りゃわかる。頭がいいのだって入学式の新入生代表の挨拶したんだからわかるだろ?
優しいのだってちょっと話せばわかる」
私は下を向いた。
「そ、れは……」
——セクハラというやつですか?
ギリギリにその言葉は呑み込んで。
てか可愛いとか下心なしで言える人とかまじているんだ。
光汰にい以外で初めて見たわ。
「だからさあ」
少し、言いにくそうに言葉を詰まらせる。
なんとなく嫌な予感がした。
「お前、そんな無理して笑わなくても充分魅力的だぞ? もっと自分に素直に生きれば……」
——……は?
「あの、それはどういう……」
「言葉の通り。お前、俺から見たらバレバレってくらいだぞ。他のやつらは気づいてなくてもな」
衝撃の事実に目を見張る。
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.41 )
- 日時: 2015/08/06 19:16
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: pUqzJmkp)
ごめんなさい意味わかんないでーすとか今更通じないであろう。
ため息をついた私は決意をしたように口を開く。
「……いつから?」
幾分か自然に低くなった声が出た。
「んなん見てりゃわかるっつーの。教師なめんな。……つっても他の先生は気づいてないみたいだけどな」
それを聞いてほっとする。
そう。気づいてないか。そか。
「大人も馬鹿ばかりですね」
挑発的な言葉もいつもの私ならあり得ないだろう。口角が上がるのがわかる。
それにははっと笑った篠原先生は、
「お前、その意地の悪い顔、結構イイ顔だぞ」
と、言ってまた笑った。
「そ、そんな意地の悪い顔してます? 私」
「おーおーしてるぞ。極悪人みたいだ」
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.42 )
- 日時: 2015/08/06 19:18
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: pUqzJmkp)
そっ、そんな顔してたの、私!?
そんなの、まるで篤にいみたいじゃん……!
私が目指しているのは光汰にいみたいに仏さまみたいな優しい人なのに……!!
よりによって篤にいってなに!?
と、内心凄く葛藤をする私を、篠原先生は楽しそうに見ていた。
ただの担任(+生徒会の顧問)から変な先生にランクアップした瞬間である。
「ごめんね、遅くなっちゃって」
ようやく女子たちから解放されたらしい遥先輩が戻る頃には普通の私と普通の先生に戻っていた。
]
なんの違和感もなく校庭に馴染む私たちに、なんの違和感もなく
「じゃあ改めて、見ようか」
と言った遥先輩に
「はい」
と軽く返して、初めての生徒会の仕事をスタートさせた。
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.43 )
- 日時: 2015/08/08 15:17
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: pUqzJmkp)
——
「このくらいでしょうか」
一通り部活を見て、遥先輩が大体の予算を決めた。
特に私は参加していない。存在意義……。
「どれどれ……。やっぱり今年も吹奏楽部が一番たけぇな。ぶっちぎりじゃねぇか」
「吹奏楽部で使う道具には消耗品が多いらしいですからね」
「一応後で俺が微調整して校長に提出するから」
「よろしくお願いします」
部活を見るだけだった私だが凄く疲れた。
原因は隣に遥先輩がいるということと……。
「梓ちゃんお疲れ様。男子からの視線を凄い受けてたね」
「あはは……」
アンタこそ女子の視線集めまくりだっただろーが。
- Re: 完璧美少女の苦悩 ( No.44 )
- 日時: 2015/08/08 15:21
- 名前: 浦上澪 ◆rEvr4ZSeHI (ID: pUqzJmkp)
「それにしても」
篠原先生が職員室に入って行くのを見届けると、遥先輩は仕切り直しといったように言った。
「テニス部に見学来てた子たち、凄かったねー」
ああ、あの女子たち。
「明るい子たちでしたでしょう?」
「あははそれは凄くいい評価をしてるんだね」
それ意外に何を言ったらいいかわかんないしね。
他の特徴と言ったら私を踏み台にして遥先輩に近づこうとしてるところかしら?
「俺あーいう子たち苦手だな」
「……そうですか」
私に言って何になるんだ、そんなこと。
「まっ、今の呟きは気にしないで。生徒会室戻ろう」
そう言って、遥先輩は私の手を引いた。
この場面をあの子たちに見られたらぶっ殺されそう。
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