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Re: 妹さんの誕生日 ( No.14 )
日時: 2015/01/30 19:13
名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)

なぜまた、平日に更新を……。




 前に来た時のように、エミの家の中身は私の家とそっくり。

 広くなったわけでは無い。

 どうしてこの人、5分もかかったのかな……。

 なんか、怒りも通り越して、呆れも通り越して、自分の気持ちがよく分からなくなって来てる。

 それにしても、どうして私、エミに妹さんがいることを知らなかったのかな?

 ………………………………………………………………………………。

 わかんない!

 まあいいや!(←)

 先の事を、3月3日の事だけを、考えておこう!

「はい、ここだよ」

 左上から声がした。

 え、ここが妹さんの部屋?

「がんばってね」

「へ?」

「……めげずにね」

 は、がんばって?めげずに?

 どういう意味?











 まあ、いいや。

 ドアを開けた。

 途端!

    バッシ—————————ン!

 プリンターが飛んできた。

 左から。

 鼻先をかすめながら。

 右へと。

 ひいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……。

 な、なぜ、プリンターが……

 こんな重いものが……

 あんな高速で……

 その時。

「ノックぐらいしなさい!」

 高くて幼い声が部屋に響く。

 左から。

 恐る恐る、左側を向くと。

 両手に爪楊枝を持った、女の子がいた。





 ちょっ、両手に爪楊枝!?

 片手に持つことはあったとしても、両手で持つ!?普通!

「え、おやつタイム!?」

 うわ、声に出しちゃった!

「違うわよ!」

 鼻先と喉元にそれを突き付け、女の子が何度も叫ぶ。

「問題!」

 いきなりっ!?

「あたしは、誰でしょうか!」

 はあ!?

「1分以内に答えて!」

 ええっ!?

 もう、分かってるんですけど!

「え、エミのいm」

「なんか、質問はないの!?」

 質問を期待してたわけ!?

「じゃ、じゃあ、さっきのプリンター、なんで飛んでいt」

「あんたがノックもせずにドアを開けたから!ほか、質問は!?」

 何を聞いてほしいのよ!

 思ったら。

  ピッ、ピッピッ、ピッ

 タイマーを操作する音が聞こえた。

 近くにあるタイマーをちらっと見ると、その画面は、59、58、57、56、55……。

 1分を計っているのか!

「ほら、質問!あたしが質問してほしいことを答えないと、問題に答えられないよっ!」

「うぅ……あ、じゃあ、妹さんが質問してほしいことって、何!?」

 これでどうだ!

「う、ずる賢い……あたしが何年生なのかってことよ!」

 よっしゃ、答えた!

「じゃあ、妹さんは、何年生!?」

   カンカンカーーーン!

 試合終了のゴングが鳴ったような気がした。

「3年生!問題、答えていいぞ!」

 よっしゃ!もう分かってるもんね!

「村咲笑の妹さん、村咲楽美さん!」

 爪楊枝が喉と鼻から離れた。

「せーかい!」

 やったぁ!

「で、何しにきたわけ?」

 満面の笑顔で聞かれる。

「妹さんの誕生日を盛り上げるために、来ました!」

 答えると……

 ありゃ、妹さん、きょとんとしてる。

「は?あたしに妹はいないけど?」

 ……あ。

「エミの妹さん、つまりラミさんの事なんですけど……」

 そのままにして言うと、なぜか、怒られた。

「あたしは、確かに、村咲エミの妹よ。でも、あたしは、ラミなの!」

 とか、

「信じられない!エミのヤツ、こんなのをパーティー係に呼んだわけ!?」

 とか。

 あのですねえ、言わせてもらうとですねえ、私、仮にもあなたの先輩ですよ?

 「こんなの」とか、言わないでくださいっ!

 そう思ったけど、声には出さない。

 代わりに、

「あのう……こんなもの、持ってきましたけど」

 持ってきた鯖の味噌煮を差し出した。

 すると妹さん……じゃなくて、ラミさん、目を見開いて、

「わあ!?こ、これ、鯖の味噌煮!?」

 タッパーを奪うように受け取った。

「もうっ!こんなの持ってきてたんだったら、先に言ってよ!」

 ものすごい笑顔。

「あ、そうだ!あんたに指令を与える!それをこなせば許してあげる!」

 指令!?

 しかも、「許してあげる」って!

「こっちに来なさい!」

 言われて、付いて行きながら、こう思った。

 さっきのセリフ、「来なさい」って!命令かよ!