コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.20 )
- 日時: 2015/02/05 17:56
- 名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)
学校に着いたら、靴を履きかえて、今回は6年1組へ!
階段を駆け上がって、ドアをガラガラッ!
「おはようございます!」
そして、きょうしつにはいるときは、げんきなこえであいさつをしましょうね。
靴箱に始まり、ここでゴール。
その間、1分44秒!
また、さいこうきろく、こうしんだドン!
……ぜえぜえ、はあはあ。
ランドセルを机の上に置きながら、すさまじい息切れ。
でも。
でもでもでも。
立ち止まってるわけには、いかないんだ!
目的の……銀野鋼くんの席は、私の机の後ろの後ろ。
銀野くんは……来てた!
「銀野くん!」
ザザザッとランドセルの処理をして、声を掛ける。
「ん」
机に頬杖をついたまま、答えが返ってくる。
内容は、もちろん。
「友達の誕生日にパーティーを開くことになったんだけどさ、和菓子、用意してくれない!?」
銀野くんの家、和菓子屋さんだから。
この相談をするには、モッテコイなんだよね!
言い終わると。
え、今、銀野くんの目が光らなかった!?
「何を作っとけばいい?」
相変わらず、頬杖をついたまま。
えーっと。
「ぜんざいと、羊羹と、大福と、干し柿と、最中と、なたねきんとんと、雛あられと、桜餅と、ぼた餅。3月3日までに」
A6ノートをそのまま丸読み。
それを聞いた銀野くんは、
「ぜんざいようかんだいふくほしがきもなかなたねきんとんひなあられさくらもちぼたもち」
和菓子の名前を早口で(息継ぎもせずに!)唱えて、立ち上がる。
で、
「分かった。3月3日まで、な。それぞれ10個ずつ、作ってくる。そのかわり」
私の背中をバシッと叩く。
いてぇっ!
「そのパーティ、俺も呼んでくれ!特に代金は要らねえから!」
えっ!
代金不要!?
うん、乗った!
だって、密かに独楽林檎が代金問題で悩んでた、らしいもん!
「ん、わかった!よろしくね!」
最後に感嘆符を置いて、飲み物のアイデアを聞きに、図書室へと走って行った。
そして、この場面で気づくはずがなかった。
廊下で待ち受けている、怒りのオーラを……。