コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 妹さんの誕生日 ( No.23 )
日時: 2015/02/06 23:11
名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)

 廊下に出る。



 あれっ?

 まだ2月のくせに、教室の中よりも廊下の方が暖かい?

 何だろ……ちょうど、日なたに……なってないよね?




















 げっ!

 ま、真矢だ!

 声に出すのをこらえる。

 私の目の前には、山海真矢さんと風堅気保理さん。

 ものすごく、怒ってます。

 感じた熱は、怒り、か……。



 うぅ……そういえば、ずいぶん前……

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜

 今年度のはじめ、自己紹介の時。

 屋根木さんが発表し終わったから、次は真矢の番。

 立ち上がって、教室の前まで移動すると。

「私の名前は、山海真矢です。好きな人は、秘密です」

 そのひと段落を言い終わると、教室内に、どっと笑いがおこった。

 私も、ちょっと笑った。

 でも、次の一言で、私たちは地獄に落とされたような気がした。

「その人になれなれしく接した人は、いじめます」

〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

 本当は、そんなことがあってはいけないんだけどね。

 日本国憲法の第9条を見れば、分かるんだけど。(憲法……。by独楽林檎)

 まあ、そんなことは置いといて。

 これはつまり……

 好きな人って、まさか!

Re: 妹さんの誕生日 ( No.24 )
日時: 2015/02/07 16:49
名前: 独楽林檎 (ID: iFTmHP4V)

「ね〜、あんたさぁ、わすれたのぉ?」

 真矢が脅かす体制に入る。

 これは、自己紹介の時の事を言っているんだろうね。

 その事は、ばっちり、はっきりと覚えているから、首をぶるぶるっと横に振る。

「あ、そ。じゃあ、いじめる権利、あるよね?私と真矢様には」

 今度は気保理。


 この言葉を聞いて、私は、こんなことを思い出していた。

 日本国憲法、第18条。

 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

 私って、憲法頭になりすぎ?(なりすぎだろ:独楽林檎)


 思い切って、首を振った。

 ないもん。

 私、何も悪いことしてないもん!

「ふ〜ん、そりゃ残念。それなら、こっちに来てくれない?」

 気保理が指さした先は……

 階段。

 もうすでに図書室の前に来ていたから、その階段の先には職員室と保健室があるということ。

 でも、階段から落とされる可能性、アリ……。

 ねえ、こういう時って、どうすればいいの?


 逃げる?

 従う?

 反撃に入る?


 まず、反撃は、嫌だ……。

 自分に嘘をつくみたいで。

 それに、階段から落としたり、するかな?

 真矢も気保理も、直接手を下したりはしないし。

 まあ、目をつけられているのも、事実。

 ここを、ただ逃げるだけでは……また、捕まる。

 妹さんの誕生日のせいで、時間はないし。

 ……ん?

 図書室……そうだ!

 『ただ逃げるだけ』じゃなければいい!