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Re: 妹さんの誕生日 ( No.34 )
日時: 2015/02/11 22:33
名前: 独楽林檎 (ID: chZuMjzt)

  <番外編> 〜ラミの包帯〜


「通さねぇ」

 こいつらの足を止めるため、つぶやいたが……ここから、どうすりゃいいんだ?

「ちょっ……邪魔すんな……」

 手下っぽい奴があたしを殴ろうと右手を突き出してくるが……こいつ、素人だな?

 殴るのが、下手すぎるだろ。

 簡単によける。

 首をひねるだけだ。

「誰かを殴るには、顔は適さねぇよ……っと」

 背の高い方……アオイが、「真矢」と呼んでいたか……のみぞおちに、拳を突き出す。

「ぐっ!?」

 命中。

 でも、腹なんか抱えて……今の、弱気だぞ?

 狙いどころと言い、受け身といい、こいつら、単に口が達者なだけじゃないか?

「あんた、偉そうに……!」

 真矢が膝蹴り、もう片方が肘鉄。

 こいつら、何やってんだ?

 二人いるんだから、挟み込めばいいものを。

 一歩、後ろに下がる。

 簡単にかわせた。

「……っ!」

 二人して息をのんで、一瞬、目を合わせた。

 で、姿勢を低くして、かまえる。

 あたしもそうすると、

 そいつら、せーの、とタイミングを合わせ、

  だっ!

 逃げた!?

 あたしはそう来ると想定できていなくて、反応が遅れる。

 それでも、その二人を追いかけた。

 すると。

  バッシーーーーーーーーン!

「っ……!」

 右足をぐねって、こけた。

 右へと。

 その間にも二人との間隔は開いていったから、追いかけるのを断念した。

 床は木材で出来ているから上半身は特に何もないが、足首は……。



 というわけだ、この包帯は。

 まあ、校則違反だが、あの後、階段の手すりを滑って保健室へと向かったんだ。

 右足を、使えなかったからな。