コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.68 )
- 日時: 2015/03/05 21:17
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
ガラガラガラ、ピシャッ!
「失礼します!」
あ、エミが目当てじゃないよ?
「金間さんと銀野さんはいらっしゃいますか!」
金間恵一さんと銀野拓馬さんに、パーティーの事を頼みに来たの。
「ほいほーい、いますでー」
「おい、キン!返事にまで関西弁使うなや!」
こんな所でも漫才風味のこの二人、きっと将来の夢は漫才師だよね……。
「青永ちゃん?どうしたんや、こないなとこで?」
「ま、運動場で話そうや。な、ギン?」
「ああ、それ、傑作や思うわ」
「ほな、行こか」
勝手に話を進められてる!
まあ、運動場でも話せるんだけどさ、それだと時間が無駄に使われる訳で……。
なんて考えた時には、もう運動場の木の陰にお世話になっていた。
「で?何の話や?」
「あほう、女子を休ませずに聞き出すやつがおるかい!」
「ええやんけ、疲れて無さそうやし……」
「ああ、そうかいな……って、肩で息しとるやろ、お前がな!」
「ばれたか?」
この人たち、重度のマイペース……?
「えっと……」
「「……あ」」
まさか、私の存在を忘れてた!?
「話していいよ、体力が残ってるんだったら」
銀野さん、標準語も話せるのか!
「3月3日に友達の家でパーティーをやるんですけど、そこで漫才をやって頂きたくて……」
って、今、この二人の目が光らなかった!?
「マジか!俺ら、ホンマモンの漫才師になれるんかいな!」
「おい、キン、また関西弁にもどっとるで……俺もやけどな」
そんなに嬉しいこと?
というか、この二人、漫才師として活動したことが無かったのか!
「「引き受ける、引き受ける!何分ぐらいで終わらせればええんや?」」
「え、えっと……5分ぐらいで?」
なんか私、さらっと結構長い時間伝えなかった?
「うーん、もうちょい長くてもええんやけどなぁ」
「まあ、今日から練習やで!」
「せや、5分チョッキシで、漫才まとめなあかんな!」
「きまりや!」
次々に関西弁を発して、そのまま二人で去っていった。
ちょうどその時聞こえたのが、これ。
「もうすぐ、チャイムが鳴ります。教室に入って、朝学の用意をして、静かに、席に座りましょう。これで、朝の放送を終わります。」
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.69 )
- 日時: 2015/03/10 17:45
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
学校にいる間に、春宮さんと銀野さんと真矢と気保理と金間さんと銀野さん(……あれ?)に村咲家の場所を示す紙を渡しておいた。
それと、今日から日曜にかけて村咲家で色々準備をすることも。
放課後、昨日と同じように村咲家へ向か……わず、まずはお泊りセットが置いてある青永家へ。
お母さんには、昨日のうちにこのことを伝えておいた。
だから、「ただいま」と「行ってきます」しか発さなくて結構!
そして、村咲家のインターホンも押さなくて結構!
鍵を開けてあるから、そのまま入れって言われてる。
「失礼しま〜す」
と言いながら入って、最初に見えたのは。
壁に向かって倒立をしている、妹さん……。
包帯を巻いている右足は確かに痛々しい。けど。
「えっと、何やってるんですか?」
「何って、あんたを待ってんの!」
はぁ、待つために壁倒立……。
ということは置いといて。
「この荷物、どこに置けばいいですか?」
聞いたら、妹さんは、壁から離れて……。
ドスッ。
着地に失敗。
あちゃー。
「大丈夫ですか、いm……ラミさん」
「くっ……何のためにこけたか、だと!?起き上がるためだ!」
おおっ、素晴らしい言いわk……いや、素晴らしい受け止め方!(←)
「……案内するから、来い」
と言われたから、妹さんの後について行った。
そして、次に立ち止まったのは……。
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.70 )
- 日時: 2015/03/08 15:53
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
「か、会場……」
「ああ、これから2泊3日、アオイは大体ここにいてもらう」
えーっ、ここにいて、大丈夫なのー?
「大丈夫だ、夜には布団も持ってくるし、風呂と歯磨きも不自由ないようにする」
運動不足とか、ちょっと心配なんですけど?
「大丈夫だ。ここにいる間は一日に12時間以上働いてもらう」
それはそれで、心配なんですけどっ!?
「食事は、パーティーの味見で何とかできるだろう……今、まさに、来たみたいだしな」
来たって、何がですか?
聞こうとしたら、
ピンポーン♪
インターホンが鳴った。
「えぇっ!?」
妹さんは、エスパーか!?
「ほら、アオイ、玄関に出ろ!」
「は、はいぃっ!」
玄関に走って、ドアを開けると……そこにいたのは、和菓子を持った銀野さん。
「よう。注文は10個ずつだったが、味見用に2個ずつ余分に作っといたんだ。まだ寝かせてないが、ちょっと食べて見ろ!」
「えぇっと……とりあえず、こっちに来てください……」
何で私、こんなに敬語なの?
「おう、それと、もう一人と紛らわしいから、コウって呼べ」
「もう一人?」
もう一人って……誰のこと?
「ギンだよ。キンのコンビの」
「え?」
ギンって言えば、銀野拓馬さんのことでしょ。
そして、今、目の前にいるのは……銀野鋼さん。
あっ!
「苗字が同じ!?」
「ん?今、気づいたのか?」
コクコク。首を縦に振る。
「何故名字が同じなのかと言えば……まあ、双子だから、だな」
「双子ぉっ!?」
全然、似てない!
「そんなに、驚くことかぁ?……ま、いいけど」
「コウ、とにかく、上がれ」
あれ、妹さん、いつの間に私の右に……。
「まだ未熟な味だと思うがな。特に桜餅なんか、一口でがばっと食うのが一番だぞ」
「ん、それは中で聞くから」
……と、いろいろ驚いて、いろいろ話しながら、私たちは村咲家に入っていった。
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.71 )
- 日時: 2015/03/08 22:03
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
ピンポーン♪
玄関のドアを閉めた途端、インターホンが鳴った。
くるっとUターンして、玄関のドアを開ける。
目の前に立っていたのは、春宮さん。
「……料理の実行、担当させて……」
相変わらず3点リーダをつないで、それでもズカズカと村咲家に入ってくる。
来ました、影が薄くてキャラが濃い人!
……それにしても、春宮さんって料理が得意だったんだね。
ちょっと意外かも。
と思って、ドアを閉めたら。
ピンポーン♪
インターホンが鳴った。
またかっ!
と思って、1秒後、ドアを開ける。
外開きのドアにゴンッ!と思いっきりぶつかったのは、金間さん。
少し後ろに、銀野さん……銀野拓馬さん……がいる。
「痛てぇっ!」
「アホか!外開きの目の前に立って、ぶつからんと思っとるんか!?」
本当に関西人よりも関西弁だよね、この二人って!
「この二人ぃ言わんといてや、俺らな、チーム名を<プラチナ>って決めたんや!」
「あぇ?そうやったか?」
「お前も公認やったやろ、忘れたんか!?」
えっと……。
「とりあえず、上がって」
と言って二人が玄関に入るのを確認してから、ドアを閉める。
閉める途中に紫がかった低めのツインテールの人が入ってきたのは、気のせいじゃないよね?
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.72 )
- 日時: 2015/03/08 22:11
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
状況整理(キャラのいる場所)
青永 葵 村咲家
村咲 笑 通学路
村咲 楽美 村咲家
春宮 千紗 村咲家
銀野 鋼 村咲家
山海 真矢 ?
風堅 気保理 ?
金間 恵一 村咲家
銀野 拓馬 村咲家
村咲家以外にいる人:3人
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.73 )
- 日時: 2015/03/09 18:53
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
「2個ずつ、合計18個あるぞー。どれを選ぶかは早い者勝ち、一番勧めるのは羊羹だ!」
会場に戻ると、5人で味見のプチパーティーをやっていた。
「あたしは、ぜんざい食べるぞ!」
「……じゃあ、羊羹を……」
「俺はあられや!ギンは何食う?」
「もちろん桜餅や!半殺し感、たまらんで!」
「なら、俺は最中。自画自賛になるが、皮をうまく焼けたんだよな」
えっ、コウ、自分でこれ全部作ったの!?
「ああ、もちろん。徹夜で」
「すごい……あ、私は干し柿。季節が違うのに、よく作れたね!」
「俺らん家、和菓子屋やっとるからな!一年中、干し柿はあるで!」
なるほど。
コウに頼んだのが幸いしたかも……。
「うわ!これ、うまいな!でも、ちょっと味が若いか?」
「だろ?もっと煮た方が貫録のある味になると思うんだ」
「そうだな。これだと、ブドウ糖をもうちょい足した方がいいか?」
「おお、なるほど!そうすればいいな!後で、家に帰ってやってみる」
何の話だか、さっぱり分かんない。
気にせず干し柿をパクッと食べると……。
「わ、おいしい!」
「そうか?もうちょい干した方がいいと、俺は踏んでるんだが」
「ん〜、まだ少し渋い?」
「だろ?表面にあんま砂糖がねぇし」
へー、それも問題になるのか。
「最中は……小豆がちょっと薄いか?もうちょい水分飛ばすとして……」
「あられはもう最高やで!このまま乾燥させとけばええ思うわ」
「桜餅、葉っぱの塩が薄いで!もっと漬けとけ!」
「羊羹は……水ようかんと羊羹の間みたい……水分が多い……」
「ほい、ほい、ほい、了解。大体、どれもまだ未熟だな」
え、そんなことないよ。
言おうとしたら……。
「ぼた餅はねぇ、きな粉のなかの塩が、ちょっと足りないかもぉ!」
「「「「「!?」」」」」
エミが批評。
「……ん〜?私ぃ、何か変なこと言ったっけぇ?」
とぼける、けどさ!
「い、いや……」
「エミが、いつの間に……」
「……そこに……いるのかと……」
「「思ったんや!な、相棒!」」
「おい、エミ。帰ったなら、ちゃんと『ただいま』ぐらい言え」
あれ?
「いもu……ラミさんは、驚かないんですか?」
「ああ。日常茶飯事だ」
「な、なるほど」
妹さんにとっては、当然だったんだね。
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.74 )
- 日時: 2015/03/10 17:59
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
ピンポーン♪
インターホンが鳴った。
って言うか、あの人たち以外にくる人なんていないんですけど?
と思いながら、なぜかギンさんと一緒にニヤッと笑った。
一瞬後、玄関に向かって走る。
なぜか、ギンさんがついてきた。
ドアを開けたら。
「ドアを開けるのが遅いわ!走らなかったの!?」
予想通り、真矢と気保理がいた。
走りましたよ、ハアハアゼイゼイっ!
とは言わず、疑問をぶちまける。
「そのスピーカーは何?」
気保理が、巨大スピーカーを持っていた。
巨大とは言っても、昨日の宝箱くらいね。
「すぐに分かるわ、それよりも真矢様はコウの作った大福を食べたいの!ちなみに、私はなたねきんとんね」
「了解。まずはa」
「さ、行きましょ、気保理」
「もちろんです!」
説明をブッ飛ばして行くんじゃなーい!
「大丈夫よ、どうにしろ、あんたの質問なんか聞くに堪えないわ」
本当に失礼だよね、気保理ってやつは!
「ごめんなさいね、気保理は最近、本当の事しか言えないのよ」
本当にイヤミな奴だよね、真矢ってやつは!
「悪口以外言えないのか、お前らは?」
あれ、妹さん、いつの間にここへ?
でも妹さんはそれを無視して、
「聞くに堪えないのはお前らの嫌味だ、真矢、気保理!」
どこでその名前を知ったのですか、妹さん!
「あ……誰かと思ったらあの暴力女ね……昨日の怨み、ここで晴らすわよ、気保理!」
「アイアイサー!」
それ……昨日の怨みって、きっと図書室前でのことだ!
でも妹さんは、
「待て」
いきなり構えた真矢と気保理を、手で制す。
「どうしたの?真矢様が怖い?」
「右足の包帯で、ちょっと不利だとでも思っているのかしら?」
ホンっトーに嫌味な奴だよね、真矢と気保理!
「違う、右足は問題ない。だが、家を壊されては困るからな。前の道路でヤル」
『やる』がカタカナで、怖いんですけど!?
「なるほど、そういう意味ね。パーティー会場を壊されては、確かに困るわよね」
「真矢様と私は、昨日猛練習を積んだのよ!だから、小学3年生一人に負けるはずがないわ!」
いろいろ喋りながら、村咲家と青永家の前にある小さな道路(行き止まりだから誰も来ないはず)へと移動する3人。
これから、小3 ×1 VS 小6 ×2 のバトルが始まる!(先輩気ないぞ、真矢、気保理!)
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.75 )
- 日時: 2015/03/11 22:03
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
「アオイ、掛け声をやりなさい!」
「ええっ!?」
真矢、あんた、私の声が小さい事を分かって言ってる!?
「ふぇ、えと・・・・・・両者ぁ、かまえぇ!」
エミの声じゃないよ?
「よぉーい・・・・・・はっ、始め!」
「ちょっ、分かりにくいんだよ、それ!」
愚痴りながらも、妹さんは真矢の蹴りを避ける。
そして真矢に向け、右手で殴る。
左二の腕にヒット!
真矢に50のダメージ!
気保理が左足で妹さんに蹴った!
よけられた!
妹さん 【500】
真矢 【450】
気保理 【500】
真矢が妹さんに向けて頭突き!
避けられた!
妹さんが真矢に向け、左手チョップ!
背中にクリーンヒット!
真矢に、100のダメージ!
妹さんは、挟み込まれた!
気保理が妹さんの足を払う!
ジャンプで避けられた!
妹さん 【500】
真矢 【350】
気保理 【500】
試合は次回に続く!
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.76 )
- 日時: 2015/03/12 17:56
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
真矢が妹さんの足を払う!
逆に妹さんは真矢の足を蹴った!
真矢は仰向けに転び、頭を地面に打つ!
真矢に100のダメージ!
妹さんが気保理の脛を右足で蹴る!
クリーンヒット!(結構痛そうだ!)
気保理に100のダメージ!
気保理は足を抱えていて動かない!
妹さん 【500】
真矢 【250】軽傷
気保理 【400】
真矢が妹さんの足首をなぎ倒す!
ジャンプでよけた!
そのまま妹さんは真矢の足を踏んだ!
クリーンヒット!(相当痛そうだ!)
真矢に150のダメージ!
妹さんが気保理の背中にチョップを繰り出す!
ヒット!
気保理に50のダメージ!
気保理はまだ動けない……気保理に10のダメージ!
妹さん 【500】
真矢 【100】重傷
気保理 【340】
真矢は寝転がった!
妹さんが落ちて、地面にぶつかる!
50のダメージ!
真矢と妹さんは起き上がった!
妹さんが真矢に体当たり!
真矢は向かいの家の壁にぶつかった!
50のダメージ!
気保理は起き上がり、妹さんを羽交い絞めにする!
スルッと逃げられた!
妹さん 【450】
真矢 【50】 重傷
気保理 【340】
真矢は妹さんと距離を取る!(悪く言うと「一旦逃げた!」)
妹さんは気保理にデコピン!
ヒット!
気保理に40のダメージ!
気保理は妹さんのこめかみを殴る!
しゃがんでかわした!
妹さん 【450】
真矢 【50】 重傷
気保理 【300】
戦いはまだまだ続く!
- Re: 妹さんの誕生日 ( No.77 )
- 日時: 2015/03/13 21:01
- 名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)
真矢が来た!
その攻撃の前に妹さんのチョップが炸れ……。
「アオイ、たぶんさっきから真矢も気保理も思ってるだろうが、うるさいぞ!?」
「え?」
そうなの?
闘いながら真矢と気保理にガクガク頷かれて、うう、結構ショックなんですけど……?
そうこうしているうちに、妹さんが二人共の頭を殴って勝利。
……って、勝っちゃった!?
よし、HP回復のために大福となたねきんとんを持ってこよう!
と思って家に入ると、玄関近くにエミがいた。
「どこ行くの?大きなバッグ持って」
ものすごくデカいショルダーバッグなんですけど?
「ああぁ、これねぇ。今からぁ、ピアノのr」
「急いでるから早口で言ってくれない!?」
「レンシュウニイクカラァ、ガクフトカガハイッテルノォ!」
ものすごい早口。
でも、語尾を伸ばすのは忘れないんだね!
「行ってらっしゃい」
「イッテキマースゥ!」
いや、今、早口で言う必要はないからね、エミ。