コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 妹さんの誕生日 ( No.93 )
日時: 2015/04/06 21:15
名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)

 次の日。

 つまり、今日は妹さんの誕生日!

 それでも火曜日だから、学校はあるわけで。

「いってきます!」

 ここ1週間、学校に行くときはいつも玄関を飛び出していた。

 でも、今日はその必要が無い。

 昨日までにいろいろやったし。

「おいっ、アオイ!」

 後ろから声がかかった。

 そういえば、1週間前の「あんた」とは違って「アオイ」になったんだよね、呼び方。

「はい!」

 返事をして、妹さんを見る。

 でも、妹さんは何も言わない。

 ん?

「何か言うことはないのか?」

 言われたけど……何か言うことがあったっけ?

「えーと、今日のパーティ、成功させましょうね!」

「違うな」

「じゃあ、えっと、お互い頑張りましょうね!」

「さっきのと大体同じじゃないか。違うぞ」

「えーっと、えーっと……何を言わせたいんですか?」

 分からないから、聞くしかない。

「バカぁ!」

 ひいっ!

「何のためのパーティーだよ、あたしの誕生日を祝うためだろ!」

 あっ。

「あっ、じゃねぇ!一番大事なこと忘れんな!」

「えっと、えっと、誕生日おめでとうございます!」

 危ない危ない。

 この「妹さんの誕生日」の言葉が一つの単語として頭に植え付けられてた。

「……まあいい。おまえも司会をしないとはいえ、パーティー係として頑張れよな」

 ……人間関係の変化を感じる。

「はいっ、分かりました!」

 会話しながら歩いていた私たち2人は、もう学校の門までたどり着いていた。

「じゃあ、家に帰ったらすぐに村咲家へ来ること!挨拶も荷物もいらない、とにかく早く来いよな!」

「はい!」

 この私たちの話を始まりの合図として、

  今日が始まる。

Re: 妹さんの誕生日 ( No.94 )
日時: 2015/04/07 20:48
名前: 独楽林檎 ◆tr.t4dJfuU (ID: vLlTyC08)

 今日の日直は真矢。

「キヲツケ、レイ!」

 帰りの挨拶がすごく急いでる!

「「「「「さようなら!」」」」」

 どたばたばたばたっ、と廊下を……走ったらだめだから、パーティー軍団全員早歩き。

 でも私は当番の関係でどうしても30秒遅れる。

 それでも大丈夫!

 私の早歩きと階段昇降は、誰にも負けない!

「とおおおおおおおおおおおっ!」

 背を屈めて足の回転Maxで!

 背を屈めたら床から足の付け根までの距離が短くなる、つまりその分前に足がよく伸びる!

「てりゃあああああああああっ!」

 階段を2段飛ばしとかはダメだから、1段1段をフルスピードでいくっきゃない!

 感覚としてはそのまま斜めに落ちていくこと!

 階段に足が触れている時間、1段につき0.01秒!

 この時点でエミや真矢たちに追いつくことができる!

「速っ!アオイ、何も違反をしてないくせに速い!気保理、私たちもスピード増強よ!」

「イエッサー!」

 と言って少しペースを上げるけど、君たちは1段飛ばしている上に遅いのだよ!

「ま、待ってええええええええええぇぇぇぇぇぇぇ」

 エミ、よくそんなに息が続くね!

 なんてことを思っている間に、私は一番乗りで靴箱に到着!

 急いで靴を履きかえる!

「行っくぞおおぉぉ!」

 結局、私を先頭に村咲家へと走る私たち。

 その時間は、今までで一番輝いているような気がした。

「アオイ!6年生組も早いな!」

 妹さんと合流した。

「水曜日ですから!それに、みんな早くパーティーやりたいんですよ!」

「そうか!……で、あの超人野郎は何であんなに早いんだ!?」

 妹さんに指さされてその方向を見ると、村咲家の玄関には春宮さんがいた。



  え、ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?



 何で!?階段のところで追い抜いたのに!

「まあいい、確かにアイツは超人野郎だ!」

 いや、それって本当に超人なんですね!

「真矢様ー!これではほとんどの確率で前方の3人に追いつけませんー!」

「根性よ、気保理!もうすでにパーティーの用意は整っていると聞いたわ、急ぐっきゃないのよ!」

 と後ろから声が聞こえた時、私と妹さんは村咲家に到着!

「どけ、超人野郎!鍵を開けないと始まらないだろ!」

 つくづく、妹さんって凄い!

「……」

 台詞を三点リーダのみで終わらせた春宮さんも、凄いよ!

「ほら、アオイ!家に入れ、すぐにパーティー始めるぞ!」

 はい!