コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 私は君の連絡係。【超!!重大発表】 ( No.115 )
- 日時: 2015/12/11 22:37
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: ptSF.ucw)
46.凪&黄泉ペア。
「凪くん、どこいこっか?」
どぎまぎしながら、言う。
そういえば君と二人きりは初めてだね。
もっとお話ししたよ。
そう思うが、うまく口にだせない。
「うーん。そうだねぇー」
沈黙が続く。
「黄泉の行きたいところでいいよ」
行きたいところでいいよ、その回答は私にとって嬉しいものだった。
私は、病気で入院してた頃、よく雑誌やパンフレットなどをみて外の世界を想像していた。
そのおかげか、すこし地理に詳しいのだ。
行きたいところは、たくさんある。
でも、東京へきたはいいものの、まだ私は"私の行きたいところ"へ行けていなかった。
「凪くん、東京タワーいこっか!」「うん、いいね、そうしよ」
凪くんが肯定してくれたから少し嬉しくなる。
こういうとき、思ってしまうのだ。
「好きかも・・・」
私は、つぶやいたつもりだったが、そうとう大きな声をだしていたのだろうか。
それとも、凪くんが地獄耳なのだろうか。
どちらかはわからない。
ただ____
「え・・・なにが好きなの?」
聞こえていたようだ。
「え、いや、その、あの、東京タワーすきだなって!」
あせって、かえっておかしな返事をしてしまった。
あーあ。今、いえばよかったのに。チャンスだったのに。
自分で自分の行動を悔いる。
「なんだ、東京タワーか・・」
凪くんは、安心したような残念そうな顔をした。
やめてよ、私の前でそんな悲しい顔しないでよ。
「俺・・・だったらよかったのにな」
本当に突然だった。突然すぎておどろいた。
はっきりと、凪くんは言った。
私にも聞こえるように。
「本当にいってる・・・?」
疑いつつも、これが本当であってほしいと願う。
「本当だよ、嘘つくと思うか?」
___即答だった。嬉しかった。
私も一歩前へ進んでみようと思う。
「あのね、さっきの嘘。本当はね、凪くんが好き」
言えた。やっと言えた。
ずっと言いたくて言いたくてしかたがなかった、たった二文字が。
_____「嘘ついたバツとして、今から俺と付き合えよ」
それが彼の答えだった。
___これは、東京タワーを前に結ばれた彼等の物語。
- Re: 私は君の連絡係。【あと4話で完結、新スレ発表】 ( No.116 )
- 日時: 2016/11/12 00:35
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: cSy8Cn7x)
47.3人の運命。
俺は、ただひたすら走り続けた。
___彼女のもとへ。
大好きで大事な彼女のもとへ。
ああ、もう健吾とくっついちゃったかな。
手遅れかも。
そんな不安が頭をよぎるが、どちらにせよ俺はふられるのだ。
わかってる。
知ってる。
だからこそ走る。
瞳と別れて5分くらいだろうか、やっと前に2人背中が見えてきた。
あと40m。
20m。
____2m。
まだ彼女等は俺に気づかない。
「ひまり!健吾!」
そうよびかけて初めて彼女等は俺の存在に気づいたように後ろを振り返った。
「え、明日目どうしたの?瞳は?」
ひまりは、そんなふうに不思議がっているばかりだが、健吾は違った。
まるで俺がここへ来ることがわかっていたかのようにしれっとしている。
「ちょっとひまりに話があるんだけど」
勇気をだして言ったつもりだったが、案外それは軽く口からでた。
「うん、いいけど、どうしたの?」
ひまりは気づいてないんかな。俺の気持ち。
どうしたの、ひまりの口から出たその言葉が妙に俺を熱くさせた。
「じゃ、5分だけ借りる」
そういい、ひまりを連れ出そうとし後ろをふりむくと、やはり健吾は気づいていたのか「がんばれ」とクチパクで言っていた。
あーあ、全部ばれてたってわけか。
敵わないなぁ、健吾には。
だめだめだな、俺___
*
いきなりだった。
いきなりすぎてびっくりした。
私と健吾が歩いていると、いきなり後ろから明日目が現れた。
瞳と出掛けたはずの明日目が、たった1人で。
瞳は?、そう聞いたがその質問には答えてくれなかった。
瞳のことだからもしかしたら明日目にあきちゃったんかも。
そうやって自分を納得させたが、それは無理矢理にすぎなかった。
また、前みたいになるのが怖くて__
一人で話を勝手につくってた。
「あのさ、好き」
だから、この言葉を明日目の口から聞いたときは、どうしても認めたくなかった。
いや、認めれなかった。
なんで?
幼馴染みでしょ?友達でしょ?
私の気持ち知ってるでしょう?
次々思い付く最低なことば。
自分で自分が腹立たしく思う。
でも、そんな最低な言葉を口にしても明日目は受け止めてくれた。
そんなところに瞳は惹かれたのかもしれない。
そこでふと、気づく。
雪がちらつきはじめてきた。
しろくまわりが彩られていくなか、2人は立ち尽くす。
「急にごめんな…」
彼は謝るが、謝らなければいけないのはアタシだ。
彼の気持ちをなかったことにしようとしていたのだから。
「あたしこそごめん…」
___「そう思うなら、さっさとくっつきな、健吾と」
彼はそう言うが悲しそうな顔をしていた。
でも、彼の半端な思いをふりきるためにも。
私自身のためにも。
___告白してやろうじゃないか。
- Re: 私は君の連絡係。【あと4話で完結、新スレ発表】 ( No.117 )
- 日時: 2015/12/26 23:41
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: 6VawRV/m)
48.好き…かも。
「健吾!待たせたかな?ごめんね」「ううん」
明日目に言われて気づいた。
「あのさ…私さ…」
たった二文字。
そんだけ。たった二文字。
それだけを伝えたい。
でも、言葉にでない。
明日目もこんな思いして、アタシに?
瞳も、皆頑張ってるんだから。
言わなきゃ。
「あのさ、アタシ「さっきさ…」
うわ、でました。
かんじんなところで。健吾のKY発動。
なんでかぶせるかな…
本当に全く。
でも、これを聞いてそんなのんきなこと言ってられないと思った。
___「さっきさ、明日目に告白されたんでしょ」
え…
知ってるの?
ってか、知ってたの?
それでアタシをいかせたの?
そんなん…告白しても、確率ないじゃん…
「で、OKしたの?」
こういうとこ、地味に傷つく。
そんなんOKするわけないじゃん。
OKしてたら、ここにはいない。
女心、わかってないなぁ。
でも、そんな人をアタシは好きになった。
なってしまった。
「そんなん関係無いじゃんか…」
ここでOKというのは、悔しかった。
なんだか負けた気がする。
だから、すこしちゃかしてみた。
これが正解だっさのかはわからない。
けど____
「関係あるよ、ひまりは俺の____………だから」
- Re: 私は君の連絡係。【あと4話で完結、新スレ発表】 ( No.118 )
- 日時: 2016/01/06 11:33
- 名前: ことり ◆E09mQJ4Ms. (ID: LAVz8bty)
49.ありがとう。
_____関係あるよ、ひまりは俺の好きなやつ………だから
*
「えっ・・・本当・・?」「嘘ついて、こんな恥ずかしいこと言えねえよ」
嘘。本当に。
健吾のことだから、嘘とか・・・ありそうだけど。
けど、健吾の顔をみてわかった。
照れてる、なんかかわいいんですけど。
「あのね、あの、私も・・・健吾のことすき!」
やっと、言えた。
案外口に出すと簡単だな・・・
好き。
あなたは誰かにそう伝えたことはありますか?
伝えられたことはありますか?
私は、今やっと、多くの人の支えがあって言えました。
もし、こんな小さな「連絡係」という仕事がこの「好き」につながったのなら。
「好き」が「連絡係」につながったのなら。
___私は、好きな人の連絡係につけて幸せです。
二人の影がゆらゆらとゆれる。
皆のもとへむかう__2人の影。
幸せそうに微笑む彼女のお話。
「付き合ってください、ひまり」「・・・もちろん!」