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Re: 春風〜千の想い〜【オリキャラ募集中!】 ( No.46 )
日時: 2015/02/11 18:07
名前: Va*Chu (ID: vAYBtxw9)

55:文化祭3

悔しいことに、千春、翔、楓はメイドから外れることはできなかった。何人かは衣装係や厨房に逃げられたのだが、3人は人望(?)のおかげでこの始末。誰も助けてはくれなかったのだった。

「あー最悪…なんだって俺がこんな目に…」
「おい忽那、動くなよずれたろうが」

現在3人を男子数名と女子のみなさんは衣装のサイズを測っている。千春は嫌で嫌で仕方がなく、さっきからずっと呻いていた。

「翔、改めて見ると背ぇ高いね」
「んなことねーだろ、普通だよ」

翔は由莉にやってもらっているからか、おとなしくされるがままだ。一方の楓は…

「うわ、楓くん細い!! 怖い!」
「こ、怖い…?」

彼女である華織にやってもらっているのだが、あまりの細さに少々引かれているようだ。まあ、そりゃな…と千春と翔は思った。

「怖い…私より腰細い…お尻も小さ…無い」
「いやあるよ、お尻は」

女子は皆羨ましがるが、自分は細すぎるんだ、と楓は少し落ち込んでいる。まあ、男子で40kg前半は細すぎるだろう。不健康だ。

「結構めんどくさい仕事ね、これ」
「そういや、なんでお前らがやってんだよ…」
「人数が多い方が早いでしょ」

千風は、文句を言いながらもやっていた。彼氏のじゃないけど。
全員のが終わるころには、下校時刻が迫ってきていた。下校時刻が守れないクラスは出し物を禁止されるので、急いで帰らねばならない。

「じゃあ今日はここまでだな、ささ、みんな帰ろう」

そう言って、千春は誰よりも早く教室を出た。文化祭の準備が相当嫌なようだ。追うようにして、千風も教室を出、それを更に追うようにして由莉、翔、楓、華織も教室を出た。



「うう〜〜マジつれぇ」
「何が?」
「そんなん女装がに決まってんだろ」

千春が呻くようにそう言った。まあ男子はそりゃ嫌だろう。しかし投票で決まったからにはやらねばならない。それだからこそ、逃げられない現実に呻かざるを得ないのだ。

「俺も嫌だけど、俺以外の忽那とか楓とかのが見れるからいいや」
「お前、裏切りやがったな」
「大丈夫、俺はまだ味方だから」

翔は案外楽しんでいるようで、鼻歌まじりにそう言う。しかし、楓は嫌なようだ。

「いいじゃん、お前は絶対似合うし」
「それが嫌なんじゃん。ガリガリなのバレるし」
「あーなるほど」

千春が頷く。するとその時、後ろで溜息が聞こえた。由莉だ。

「普段は女子力高いくせに」
「た、高くねーし!!」
「いや、高いでしょ」

実際、千春と楓はこの学年きっての女子力高い男子だ。しかしそれにも限度はあるのだ。

「それに、楓くんは絶対似合うから大丈夫だよ♪」
「華織ちゃん、笑顔が怖いよ…」

華織も負けじと楽しんでいる。女子は全員わくわくしているようで、それを見る男子は嫌すぎてやつれてきていた。


文化祭まで、あと2週間。