コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 因果を変える物語り《早くも400.今日更新しまー ( No.20 )
- 日時: 2015/02/20 03:42
- 名前: せいや (ID: iT5/uwFU)
拾五章
武術とは。
強さとは。 そんな話から
俺の 真田斗真の鍛錬は始まった
まだ始まりにすぎなかった。
その頃 優姫や、御霊は 何をしているかと言えば
いつもどおり。
想像どおりの。食い意地をみせていた。
そして師匠とも言える御方は
真剣な眼光を俺に向け こう言った。
「言葉を作れ。
その意志に。志に負けぬ
引けぬ力強い 言葉を作れ」
なにを言っているのか理解できなかった。
俺は強くはなりたいけど
その意味の意図を理解できるほど 武術家ではないし。
道場で習うのかすら怪しむ程に
胡散臭いからであった。
でも。しかし。
もしかしたら ここは実戦派だから
それゆえの
教訓なのかもしれない。
「言葉を作れとは。どういった意味で?」
俺は質問を投げかけた。
そうすると
嘘を言うような目ではなく
嘘を知らないような目で
「言葉とは
芯に強いもの。
真に近いもの。
言葉は言葉だけで 人を殺める事も
生かす事も
挫けさせる事も 励ますことも出来る。
武術でもそうだ。
殴る動作の時に声を発する。
息を抜く。 その瞬間に力が入る。
それ程に声とは重要で。
必要なもの。
言葉に想いを込める
意志を込める。
感じ取る事で
力は何倍にもなる」
言ってる事は
理解出来たが
理解し難い「りかいしがたい」のは事実
そんな 悩む俺をみてなのか。
最初から見せるつもりだったのか。
ため息まじりに立ち上がり。
木刀を手に取り
静かにしゃがんだ。
余りにも静かで。
さえぎる音などないのに
木々が揺れる音ですら
ウルサイと思える程に静かだった。
「極等双刃」 「きょくとうそうじん」
そう言い放った瞬間
今まで静かだったこの空間が揺れ
眼にも止まらない速さで 木刀を振り上げ
振り下げていた。
一瞬の出来事で 生唾すら飲み込むことすらできず。
震えが止まらずにいた。
「いま。何回振り下げたかわかるか?」
「一回じゃ?」
素直な回答だった。
それしか認識できなかったのだから。
「二回。二回だよ。
極等双刃。極にも等しい二つの刃で
相手を斬る。そう、言った意味合いなんだ。
だから言葉は大事だ。
イメージが大事なんだよ。」
理解はすこしできたが。
前の出来事。
柳生との出来事を思い出していた。
あいつもまた。
それらしい言葉を発していたからだ。
「言葉にしたからといって。
炎がでるわけでも。
雷がでるわけでもない。
ただ言葉に想いを託す。それが なによりも大事なんだ。」
あまりにも分かりやすかった。
怒るにしろなににしろ
言葉があって、初めて伝わるものばかりなのだから。
「わかりました。言葉を。
俺の言葉を探します。」
それがおれの第一の課題。