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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 桃乃吹雪〜キャッスル〜 ( No.10 )
- 日時: 2015/02/15 07:24
- 名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)
「何で今さら…。」
『父』は、走っていった。
それを追いかけていくソウク。
姫君も追いかけようとするが、騎士のソウクに姫君は追いつけない。
「クソ!」
『父』は人ごみの中に消えてしまった。
ソウクは小石を蹴った。
姫君はやっとソウクに追いつく。
「ソウクのお父さんって……」
「俺が城に行く前に、父は俺と母を捨てたんです。何で今さら、現れたのかと思ったんですよ。でも、もういいんです。」
ソウクは首を振る。
そんな彼を見て、姫君は何かしてあげたかった。
だが、何をすればいいか分からない。
けど、これならできる。
あの時みたいに。
姫君はフードを取った。
そして、少し背伸びをして、キスをする。
ソウクも姫君のキスに応えた。
人の目など気にしなかった。
ソウクは泣いていた。
姫君の前で泣くのは初めてだった。
何で泣いているかは、彼も分からなかった…
『そばにいる人を、大切にしたい』
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