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Re: 桃乃吹雪〜キャッスル〜 ( No.8 )
日時: 2015/02/09 06:49
名前: 伊吹吹雪 ◆u2YjtUz8MU (ID: nZYVVNWR)

【作戦2 城を出る】
「ソウク、どこから出るの?」
「ここらへんに、抜け穴があるハズです…。ちょっとお待ちください。」
とソウクは言って、芝生で少し、膨らんでいるところに、スコップを差し込んだ。
スコップを上に上げると、芝生の板が持ち上がり、下には小さな階段が続いていた…
「ここから、入りましょう。」
姫君と騎士は抜け穴に入ると、蓋を閉めた。
2人は、足を進めていく。

抜け穴の階段は暗く、狭かった。
2人とも、抜け穴は怖くはなかった。
けれど、姫君は外へ初めて出るという嬉しさと不安に包まれていた。



ギュッと力強く、しかし、そっと優しく、薄暗い中、姫君の手を握る者がいた。
「ソウク…。」
「俺がそばにいますから。」

「外ってどんなんだろうね…。楽しみだけどさぁ…」
「怖い?」
「…」

「俺もですよ、白様。あ、でも…。」
ソウクは、抜け穴の壁に姫君を、押しつけた。
「ソウクっ。」
「少し動かないで。でも、いやだったら逃げてください、よ?」
「…嫌じゃない。」
ソウクは、姫君の小さな唇を手でなぞった。

そのまま唇を奪う。

深く、甘いキスだった。

「白様、プレゼントしていいですか?」
「もう、大きなプレゼントもらったのに。」
「名前。」

姫君は、ソウクに抱きついた。
「名前、何で無いんだろう、ってずっと思ってた。でも、一番好きでそばにいてくれる人につけてもられるなら、嬉しいな。」

「サラ。髪がさらさら流れてきれいだから。」
ソウクは、姫君の頭をなでた。
「ありがとう。大切にするよ。」