PR
コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: Bear one's cross ( No.2 )
- 日時: 2015/02/24 17:25
- 名前: ロト (ID: L.7ldCZ1)
Prologue
普通の十字架は白い。
墓の十字架も、教会の十字架も、神父や修道女が身に付けている物だってそうだ。普通は十字架と言えば"神聖で、特別な事の象徴"と言ったイメージが強いのではないだろうか。
だけど。
少年の背中に埋まった、その十字架は。
何故か目を奪われてしまう程の不思議な魅力を放ち完璧な造形をしていて。
何故か恐怖を覚えてしまいそうな存在感があって。
真っ黒で、白い十字架をそのまま闇に落としたかのような色をしていた。
その他には何も装飾は施されていないのに、人を狂わすような危なげな美しさを持っていたのだ。
真っ黒な十字架をその身に宿す少年の名は、カル。
カルは十字架の寄生者であり、そして—
過去に罪を犯した、旅人だった。
PR