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Re: 藍色のrequiem(参照400!) ( No.31 )
日時: 2015/02/20 19:16
名前: 美奈 (ID: AQILp0xC)

1-7
そして、これは僕が11歳の6月に、雛さんに会った時だった。彼女と、32回目に会った時だった。
雛さんは、一冊の本を僕に手渡した。

「何、これ…?」

「実と私からのプレゼント。英語だけど、響也なら十分読めるはずよ」

手渡されたのは、少し厚めの、でも子供向けの本だった。絵本の延長線のようなもので、文字も大きめだし、さし絵も大きい。そんな本だった。
そして当時の僕はちょっぴり、ませていた。

「…いいよ、こんなの」

雛さんは案の定、少し傷ついたような顔をした。

「そっかぁ。実は響也に会ったことないもんなぁ。響也の好みが分からないのよね、私もそうだけど」