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Re: 藍色のrequiem ( No.5 )
日時: 2015/02/08 16:41
名前: 美奈 (ID: Dbh764Xm)

1.白百合色のdawn
1-1
僕は、母親に育てられたという記憶がない。
生後一ヶ月までしか、一緒にいてくれなかったのだ。僕が覚えていないのも無理のない話だった。

母親の名前は平野雛、という。僕が生まれる少し前から、"若き天才科学者"として注目を浴びてきたらしい。そして15年以上経った今もなお、"天才科学者"と評価され続ける強者だ。さすがに、"若き"というワードは削られてしまったが。

そんな"天才科学者"は、僕を生んですぐ、彼女の研究の本拠地であったアメリカへ"戻って"しまった。当時、どんな研究をしていたのかまでは知らない。でも、母親の代わりに僕を育ててくれた祖母は、科学誌に自分の娘、つまり僕の母の論文が載る度にこう言った。