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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕にしなよ、先輩。【 500hit__Thank you!】 ( No.23 )
- 日時: 2015/06/18 11:25
- 名前: 涼那 ゆた ◆VoHZnMKTK2 (ID: ERCwuHMr)
・03
あいつこと朝日向 優人(あさひな ゆうと)は、私の幼なじみである。昔は家族ぐるみで仲良くさせてもらっていたのだが、8年前に私の母親が事故死してしまったことを契機として、最近それは乏しいものになってきている。
とはいえ、クラスで優人と一番仲がいいのは私だ……と思う。
_____________そうでいたかった。
端正な顔立ち、抜群の運動神経、親しみやすい性格。この三拍子が揃っている優人は、とにかくモテる。
特に先輩女子からの人気は絶大で、バレンタインには抱えきれない程のチョコの山を持って、優人ははにかんだ。
「凜、これ、食べきれないから全部やるよ」
お陰で、私からチョコを渡すことなんて出来なかったんだけど。
嬉しかった。やっぱり私は、優人の特別なんだ。仲良しなんだ。
優しげな瞳のその微笑みも、その無邪気な笑顔も、私をいつも撫でてくれたその手も。
_____________全部大好きだった。
でもやっぱり、私に降りかかってくるのは残酷な運命ばかりで。
「俺……さ。お前のほら、友達の向坂? ……好きになったかもしれねぇ」
優人は葵を好きになった。
気づいてたよ。
私と話をしているようで、葵のことを見ていたの。
気づいてたよ。
葵を見るときの目が、いつも目じゃなかったの。
分かってたよ。
私は君の友達以上にはなれない。
だから私はね、優人の恋、応援することにしたんだ。
君のことが、好きだから。
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