コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 古本屋「パセリボーガー」コスモウッズ駅東口店 ( No.4 )
日時: 2015/02/15 22:32
名前: 野木山圭一 (ID: xOnerCAx)

 第二話 生誕30周年記念

「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」
 手拍子。
「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」
 ロウソク。
「はっぴばーすでーでぃあ角田さーん♪」
 総合病院3階。
「はっぴばーすでーとぅーーーーゆーーーー♪」
 ベッドに寝たまま、バイトリーダー角田はケーキのロウソクに息を吹きかけようとしたが、
「あだだだだだだだだだだ!」
 傷口が開く。下腹部には包帯が巻かれ、赤黒いシミが。
「大丈夫すか!?無理しなくていいです」
「見るからに痛そうですぅ!」
「痛だい!誰か代わりに吹いてくれっ!あっ、ナースコール押しちゃったあ!」
 ドアが開いて、ナースさん入室。
「どうされましたか?」
「ロウソク吹いて」
「断ります」
 ナースさん、恐らく人生で最も早く退室。
「ひどいよナース様……」
 と、バイトリーダー角田は嘆く。
「私が吹きます!」
「ありがとう、もかもか!」
「ではいきますぞ。ふ〜」

 全滅。

「「えええええええええええええええ!?」」
 たったの一息。辺りには濁った煙がたなびくばかり。
「30本だぞ!?30本!奇跡!ヤバイ!ヤバイヤバイヤバイ!」
「ただただ凄いとしか言えねえ!ヤバイ!ヤバイヤバイヤバイ!」
「ヤバイとしか言ってなくないですか」
「一本ぐらい吹きたかった……」
「チャッカマンなかなか点かなかったのに……」
 職無し金無し彼女無し。30歳を迎えた5月。