コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.124 )
日時: 2015/04/01 17:29
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

#57 小さい頃



 それから、瑞希の中学時代の事や、小さい頃の話も聞いた。
「あ、ねぇ悠ちゃんはどこの高校なの?」
「ん? ……あぁ、あたしはそのまま緑山だ」
「え、そうなの?」
 なんか、意外……
 ……でもないか。
 受験めんどくさいーとか言ってそうだし。
「裕也もだよ。あと知夏も入りたいっつってたな」
「へぇー……」

 そんなに受験面倒くさいのかな……
「ていうかさっき話聞いてて思ったんだけどさ、瑞希って昔僕って言ってたの?」
「あぁ、うん。あたしのことも悠ちゃんって言ってた。今とは比べられん」
 確かに……

「それにあの約束——」
「あれは、よくわかんねぇ。つうか、守れてないしな」
「? ……なんで、そう思うの?」
 そう聞くと、「あー……」と言葉を濁らせる。
「だってあたし喧嘩してばっかだし。守るどころか傷付けてる」
 苦笑いを浮かべる悠ちゃん。

「……それは……違うんじゃ、ないかな」

 無意識に言っていた。
 なんだか、悠ちゃんの、その顔が嫌で。
「じゃあさ、その喧嘩って悠ちゃんが吹っ掛けてるの?」
 悠ちゃんには、笑顔が似合うから。
「いや……違うけど……。まぁたまに、自分からも」
「なんで?」
「いや……瑞希とか、ダチの悪口言われたから、だけど——」
「なら」
 悠ちゃんの言葉を遮る。

「その、喧嘩っていうのは。瑞希とか、悠ちゃんの友達とか、仲間を、“守る”ためのものでしょう?」
 悠ちゃんは目を見開き、こちらを向く。
「いいんじゃないかな。……守れてるよ、悠ちゃんは」
 きっとそう。
 幸せな瑞希の、幸せな友達の、仲間の。
 その、幸せを守れているから。
 きっとそれは、守れてる。

「……サンキュ」
 そう言って、にっかりと笑った。

Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.125 )
日時: 2015/04/02 08:52
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

#58 帰る



「ミズキ、もう帰るよ」
 悠の家を出ると、ルーナが言った。
 ていうか、もうそんな時間なのか。

「なんか、ありがとな」

 そう言うと、ルーナは、「何?」と聞き返してくる。
「……いや、なんでもねぇ」
「そう? じゃあ、行こうか」
 ルーナは先を指差すと、軽い足取りで歩いていった。



「ただいまー」
 ドアを大きく開き、ルーナは言う。
 そんなこと言ったって、誰もいないんじゃ——
「あぁ、おかえり。そっちが瑞希君かな?」
 と思ったのは束の間、中から優しそうな男が出てきた。
 え、なんでいんの。
 え、なんで俺のこと知ってんの。

「紫苑から聞いてるよ。ここじゃなんだから、リビング行こうか」
 変なこと言ってないだろうな……
 じとっとルーナを見ると、苦笑いを浮かべていた。

 リビングは綺麗に整頓されていた。
「まぁ、座って」
 男に促されると、カーペットの敷いてある床に座る。
 ……と、ルーナが口を開いた。
「ここはね、私の家っちゃあ家なんだけど、本当はこいつの家なの」
 と言って、隣に座っている男を指差す。
 ちなみに今は俺の前に、向き合って二人が座っている状態。

「僕は水沢綾斗。紫苑の幼馴染みなんだけど、高3だよ」
 ……え、高3?
 うっそん。
 え、大人かと思った……
「よく言われるよ」
「え、心読め——」
「声丸出しだったよ?」
 そう言って、綾斗……さんはにっこりと笑った。

Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.126 )
日時: 2015/04/15 17:34
名前: レム* (ID: sSv6cHIH)

#59 ヤバい



「……まぁ、綾斗には気を付けてね」
 一通り話を終え、綾斗さんがキッチンに向かう。
 その時にルーナが言った。
「どうして? 綾斗さん優しそうじゃねぇか」
「……瑞希がさん付けって調子狂うね。ま、彼奴キレるとヤバいから」
「悪かったな。……で、ヤバいって?」
 そう聞くと、ルーナは考える仕草をする。

「10数人いる不良を3分で半殺しにできるくらい」

 暫しの沈黙。
「…………怖っ!!」
 え、何それ怖っ!!
 俺も悠に随分と鍛えられたが、流石にそれは……
 つか半殺して何!?
 何すんの!?
 なんか凄い嫌な予感がするよ!?
「……精神的に痛め付けてたら肉体的にもいたぶる」
「いや怖いから!」
 精神的にって……
 なんか綾斗さん恐ろしいわ!!

「二人で何楽しそうな話してるの?」
 と、無駄ににこやかな笑みを浮かべた綾斗さんが来るのであった。

 ……今じゃ何しても恐ろしく感じる!!



「……で、結局何話してたの?」
 この間は気にするな。
 俺がすっごい誤魔化そうとしてただけだから。うん。
 まあ、ルーナならきっとおれの気持ちもわかって——
「綾斗がキレるとヤバイっていう話」
「……」
 空気読もうか!?

 当の綾斗さんはと言うと。
「はははっ……まぁたまにだから大丈夫だよ。あれは僕も流石にどうかと思ってる」
「自分のことでしょ。ま、大体無意識なんだから仕方ないかもだけどさ」
「……は、はは……」

 いや笑えねぇから!