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#11　生と死



「あ、もう時間だから交流行く——」
　ジリリリリリリリリリリリリリリリ！
　ルーナの言葉を遮る様に音がした。
　瞬間、キンキンと耳が痛むほど甲高い悲鳴があがる。
　ルーナは首にかかっていたネックレス引きちぎった。
　すると、それは2つの双剣へと姿が変わった。
「風利、今の状況は？　…………了解」
　次の瞬間、ルーナは小型マイクの様な物を取りだし、叫んだ。
「今学園内にモンスターが侵入した!!　1m級のゴブリンだ！　魔法科生徒会役員は出動、その他の生徒はじっとしてろ！　何かあった場合は叫ぶこと!!」

◇

「くそ……っ！　また……」
　廊下を全速力で走りながら、私は呟いた。
＜また自分を攻めているの？＞
「……」
　攻めているというか……
　——仲間を守れない自分が憎い……
＜ふぅん？　あ、ゴブリン5匹発見＞
「了解！　……はぁっ!!」
　グチョッとエグい音をたて、ゴブリンが倒れる。
＜……無理しないでよ＞
「わかってる」
　強く頷き、廊下を進んでいった。

◇

「……こんな殺し合い……」
「……この学園じゃ当たり前だよ」
　横にいたエマが言った。
「当たり前、だと？　……そんなこと、許されると思ってるのか!?」
　つい、叫んでしまった。
　しかし、エマは動じなかった。
「……馬鹿なの？　この世界はモンスターが五万といる。そんな中でのんびり暮らしていけると思っているの？　ここは、生きるか死ぬかの戦いなのよ……」
　珍しくハッキリと言葉を発するエマ。
　——話している時、どこか悲しそうだったのは、俺の気のせいですか……？