コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 晴天の空【オリキャラ募集中!】 ( No.53 )
日時: 2015/02/21 10:30
名前: レム* (ID: xy9VqjvI)

#21 緊急



「ルーナ! 起きろ! 緊急事態だ!」
 朝。
 真夜中にシロ姉と会って眠いのだが……
 焦った様子のシスルが、部屋に飛び込んで来た。
「何よ、緊急って……」
「来たんだ、彼奴が……!」
「!」
 彼奴、が……?
「…………わかった。今行く。すぐに仕留めるから、学校行ってて」
「でも……」
「私が、負けると思う?」
 ニヤリと笑って見せると、シスルは首を振った。
 でも、涙目。
「なら、任せてよ! 絶対大丈夫だからさ」
 大きく笑って見せると、シスルはポカンとする。
 でもそれは一瞬で、すぐに笑って頷いた。
「絶対、帰って来るんだぞ」
「勿論」
 頷き返し、私は家を出た。



「シスル! 緊急って、なんだよ! ルーナはどこいったんだ!」
 学校に行くときも、着いた時も、ずっとミズキはそう言っていた。
 私だって……
 心配で心配でたまらない。
 あの時みたいに、また、ボロボロで帰ってくるんじゃないかって……怖い。
 でもルーナが、大丈夫だと言ったなら。
 ルーナが、絶対だと言ったなら。
 私はそれに、黙って従おう。

 大切だから。
 大好きだから。
 その気持ちに、従うと、決めたから。
 だからさ、ルーナ。

「絶対に無事で、帰って来い……」

 私の心と反比例して、今日は怖いくらいに晴天だった。

Re: 晴天の空【オリキャラ募集中!】 ( No.54 )
日時: 2015/02/21 11:14
名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
参照: ※とぉーっても短いです!

#22 バケモノ



「……なぁんだ、こんなに弱いの?」
 辺りは真っ赤に染まっていた。
 そんな中、フードを深く被った『それ』は倒れる一人の少女を見下ろし、言った。
「こんなのに、父さんも母さんも殺された訳だ。ふーん……」
「バケ、モノ……」
 少女は声を絞りだし、言う。
 今まで動じなかったフードが、ピクッと、肩を揺らした。
「……バケモノかぁ……。懐かしい響きだねぇ」
 まるで、思い出を振り返るように。
 本当に、懐かしいと言うように。
 目を、細めた。
「……ねぇ、もう、やめない?」
「……え……?」
「僕は、君を殺さない。生きて、罪を償ってもらわないと。ね?」
 フードを取り、笑いかける。
「う……あ……あぁ……っ!」
 少女は足掻き、苦しむ。

「もう二度と、僕の仲間を殺さないで」

 フードを取ったその瞳と髪は——
 紅く、染まっていた。

Re: 晴天の空【オリキャラ募集中!】 ( No.55 )
日時: 2015/03/06 21:27
名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
参照: ※とぉーっても短いです!

#23 心配



「普通科から転入してきた相良瑞希です。よろしく」
 ぶっきらぼうに、言った。
 それは、ルーナがいない事も関係していた。
「んーと……じゃあ、アクオの隣だ。手ぇ挙げろー」
 小さく「はい」と声がすると、手が挙がった。
 そこに向かって歩き出す。
「えっと、相良君? 私はエリン・アクオ! よろしくね?」
「……あぁ。よろしく」
 いつもに増して機嫌が悪い。
 ていうか、何があったんだよ……


「あーらら。結構血まみれだねぇ」
 パーカーを脱ぎ、洗濯機に突っ込む。
 そのまま他の服も脱ぎ、風呂場へ直行。
「……そういえば今日、学校だなぁ……。しかも、ミズキが転入してくる日……」
 学校、行こうかなぁ……
 B組だっけ? 
 ……あ。
 エリンがいるじゃん。
 大丈夫なのか……?
 彼奴、馬鹿なんだけど……
 
 風呂から出ると制服に着替える。
「……本当に、大丈夫か……?」
 馬鹿というか、色々、危ない奴なんだが……