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#33　クウェード



「でけえ……」
　そびえ立つ城。
　周りに広がる建物。
　ワイワイと賑わい、町は活気に満ち溢れていた。
「ここがクウェードだ。で、俺達の用は、あっち」
　ジートが指差した先には、店が建っていた。
「あれは?」
「酒場みてぇなもんだ。トレーネ産の酒を売ると高く付く」
「へぇ」
　ただの田舎だと思ってたが、わりと凄いんだな……

　あれから、俺もルーナ達に付いていくことになった。
　理由はよくわからない。
　のにもかかわらず、1日くらいかけて、ここ、クウェードにやってきたのである。
　
「そういや、ルーナは?」
「宿を取りに行ってる。今日はここに泊まるぞ」
「おう」
「で、そのために金稼ぎな」
「おーう……ってえ?」
　金稼ぎって……
「か・ね・か・せ・ぎ。わかんねぇの?」
「わかるわ！　いちいち言わんでもいい！」
「フッ」
「鼻で笑うな！」

◇

「どうすれば良いんだよ?」
「一番はモンスター狩りか?」
「何、それ」
「そのままだ。町を荒らすモンスターを狩る」
「荒らしてるからって……っ！　モンスターだって生きてんだぞ!?」
　思わず叫ぶと、ジートは目をぱちくりさせた。
　そしてフッと笑うと、言った。
「つくづくお前は昔のルーナに似てるな」
「……は?」
　思わず、すっとんきょうな声が出た。
　今ルーナは、だって——

「昔のルーナは、一匹のモンスターを気絶させることもできなかった。そして言う。『モンスターだって生きてるんだ』ってね」