コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.78 )
- 日時: 2015/02/27 21:04
- 名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
- 参照: ※とぉーっても短いです!※
#34 生きてる
「ルーナ! そこを退きなさい!!」
木々に囲まれる道、ルーナと呼ばれた少女は、木の前でうずくまった。
「嫌だよ! あたし、何もないもん! 何も持ってないもん!!」
ルーナは叫ぶ。
——大人達に、訴える。
「ルーナ!!」
男は叫び、ルーナを退かした。
「やめて! やめてよパパ!」
「いいか? 『これ』は、モンスターだ。化け物なんだ。殺さなければいけない」
男の言葉に、ルーナの目が、大きく見開かれた。
そして目に涙を溜めて、こう言った。
「なんで!? 殺していい生き物なんていないはずだよ! だって、神様がくれた命だもん。その子は化け物なんかじゃない。モンスターだって、生きてるんだ!」
- Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.79 )
- 日時: 2015/03/06 21:36
- 名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
#35 宿とか
「ジート! ミズキ!」
いつの間に話し込んでいたのか、ルーナが戻ってきた。
手をブンブンと振り、俺達の名を呼ぶ。
「お金の話? 今日のぶんは足りるけど……」
「え、そうなのか?」
「うん。一応狩ってきてもいいけどね」
……今のルーナは、昔とは違うのだろうか。
そういえば、ルーナは時折、何かを懐かしむ様な目をする。
とても、悲しい目を。
「まぁ、とにかく宿に行こうか? それから考えよう!」
楽しそうに走り出すと、ルーナとジートは、人混みに消えていった。
「……あれ、俺宿わかんねぇんだけど」
◇
「やっと、着いた……」
あれから、やっとの思いで着いた宿屋。
クウェードに似合わない、こじんまりとした所だった。
「遅いぞ、ミズキ」
「てめえらが置いてくからだろ!?」
「それもそうだな」
「そこは否定しろ! 肯定してどうする!」
これだから素直な奴は困る。
ジートは、「ふむ」と、少し考える素振りをすると、顔を上げた。
「では、違うな」
「言われて意見を曲げんな! そして考えないで即答しろよ!」
馬鹿なのか、否か。
- Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.80 )
- 日時: 2015/02/28 20:17
- 名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
#36 ロリコン
「お嬢ちゃん? 何してるのかなー?」
宿の前で、少女が絡まれていた。
……ロリコンとか気色わりぃ……
「やめなさいよ! あたしが誰だかわかっているの!?」
「さぁ、知らねぇなぁ……!」
ニヤリと笑い、少女の肩に触れる。
面倒くさいが、放っては置けねぇな……
「ロリコンとか気色わりぃぞ、お兄さんら」
俺が声をかけると、男達は「はぁ?」と声を荒げた。
「だから、キモいっつってんの」
「お、お前……っ!」
男が俺に殴りかかろうとした、その時。
「はいはい。つまらない喧嘩はやめようか? 見苦しい」
呆れた顔をしたルーナが、男の拳を受け止めていた。
「ふぅん。お姉さんもいい体してんじゃん?」
「……どうも?」
…………絶対コイツ、本当の意味わかってねぇ……っ!
「ふん。俺達に逆らったらどうなる——」
と、ルーナは生徒手帳を掲げた。
「茜学園魔法科A組、生徒会執行部所属、ルーナ・カロン」
ニヤっと不適に笑うと、そう言った。
「なっ……アカマホかよ!?」
「逆らったらどうにかなるのは、貴方達の方じゃない?」
「くっそ……覚えてろよ!」
「え。私何もしてないんだけど」
笑いながら言われても、説得力の欠片もありませんが。
「大丈夫?」
「えぇ、ありがとう。というか、アカネの方だったのね」
「うん。貴方は、アーネットね?」
「! わかっていたの?」
少女にルーナは、にこりと微笑むだけで、何も言わなかった。
その行動に、一瞬少女はポカンとしていたが、何を察したのか、小さく「ありがとう」と呟いた。
……ていうか、アーネットって誰やねん。
- Re: 晴天の空【オリキャラ等々募集中!】 ( No.81 )
- 日時: 2015/03/01 12:44
- 名前: レム* (ID: xy9VqjvI)
#37 岩と少女
「おー、そういや大丈夫だったの——」
「触るんじゃないわよ!」
俺がアーネットとやらに触れようとすると、思いっきり振り払われる。
「あ? んだよ、じゃじゃ馬」
「はぁ!? あたしにそんな口聞くんじゃないわよ!」
「じゃじゃ馬はじゃじゃ馬だ。お前が生意気なのが悪い」
「意味わかんない! ていうか、あたしはロリじゃない!」
隣でルーナが、「下らない……」と呟く。
……気にしたら終わりだと思う。
「いい加減……黙りなさいよ!」
少女が手を突き出すと、岩が現れる。
「んな……っ!?」
それは俺に向かって飛んでくる。
ふと、後ろから笑い声が聞こえた。
「おいルーナ!? 笑ってねぇで助けろ!」
「ひぃ……面白い……」
パッと、糸が切れる様に意識がとんだ。
◇
「う……」
ベッドがギシギシと音をたてる。
俺は呻き声をあげ、起きあがった。
……彼奴、手加減無しだったな……?
「おはよう、ミズキ」
「おう……じゃじゃ馬は?」
「外よ。なんかやってるわ」
なんかってなんやねん。
ということは気にしないに限る。
「彼奴、絶対手加減してなかったぞ」
「そうかもね。……でもまぁ、女の子に対して、あれは失礼だと思うよ?」
「まぁ、反省はしてるけどよ……」
珍しく、マジで。
ルーナは「ふうん?」と言うと、ドアに向かって話しかけた。
「だってよ? クレア」
「ふんっ! 絶対に反省なんかしてないわよ、ソイツ!」
……やっぱ前言撤回。
反省なんてしたくねぇ!