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Re: 狼どもと同居中。〜狼さんちの赤ずきん〜 ( No.86 )
日時: 2015/09/22 00:11
名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: 2IhC5/Vi)

【second episode】

「皆さん! 聞いて下さい!」

 リビングで夕食を食す5人に声をかける。スマートフォンを片手にとあるサイトを開きながら。

「ああ? 何だよあゆみ。食事中に大声出すな」
「真、君もね」

 真さんと和希さんの安定のやり取りを無視して私は言葉を続ける。あまりの興奮に若干声を裏返させながら叫んだ。誰かに言いたくて言いたくて仕方がない。

「なんと! 『狼どもと同居中(以下略)』が夏大会で金賞を受賞しました!」
「?!」

 全員の頭に「?!」が一斉に浮かぶ。数秒ほどの沈黙が私たちを包む。また数秒してカランカランという音が響いた。身体を凍らせながらリク君が持っていた箸を落としたのだ。

「や、」
「や?」

 口を恐る恐る開いたリク君を促す。リク君の顔が少しずつ綻んでいって——

「やったああああああ!」

 リク君の歓喜の叫びにつられるように皆が立ち上がって喜んだ。あの泉君でさえ心なしか高揚しているのか優しい顔つきだ。
 皆が一斉に「本当に?!」と叫ぶ中、由紀君だけが私のもとに近付いて冷静に返してきた。

「あの、本当に金賞なんですか? 君の勘違いという可能性は……」
「そ、そんなわけないじゃないですか! ほら!」

 そう言われると少々不安になってしまうが、サイトの文字は私の勘違いなんかではなかった。正真正銘僅少である。由紀君はゆっくりそのページを見て、大きく息を吸って吐いた。

「……本物ですね」
「でしょ?!」

 由紀君も確認してから笑顔を見せる。良かった良かったと安堵したのもつかの間、泉君が表情を無に戻して声をかけてくる。

「で、今回のepisode endはこんなもんでいいわけ?」
「う、そんな良い発音で言わないで……」

 そういえば、と気付いたように和希さんが問いかけてくる。とても穏やかで純粋な曇りのない瞳で。

「そうだね、ただの僕等の雑談になっちゃったけど……」
「す、すみません! 今回作者の時間の都合によりこんなものになってしまって……」
「ああ、失礼極まりない朔良がしそうなことだわ」(ごめんなさい)

 真さんの言葉に私がグサリと刃を突きたてられながらも頑張って立ち直し、私は正面にある大きなカメラ(!)に向かって勢いよく頭を下げる。

「折角おめでたいこともあったのに、こんなオチで申し訳ありません!」

 頭を上げて、隣を見ると5人が並んでいた。私は安心して、もう一度カメラを見る。自然に笑顔が生まれていた。

「いつも応援ありがとうございます。これからも私たちの活躍を期待して待っていて下されば嬉しいです!」


 end



**********
 ……ということで、朔良です。
 こんなオチで本当にすみませんでした泣
 third episodeでは「2人or3人と溺愛」をテーマに書いていきたいと考えています。
 更新が停滞していて申し訳ないのですが、これからも読んで下されば嬉しいです!

あゆみ「読んで下さってありがとうございました。“狼どもと同居中。”もthird episodeに突入します。これからも私たちの活躍を是非見守っていて下さいませ!」

真「次回は和希と泉とのエピソードだ。本当は俺1人で愛してやりたいけど……まあ、次回だけは許してやるよ」

リク「僕は由紀とだよー! 溺愛してあげるから、覚悟して待っててね?」

和希「次回からはもっと大変な目に遭いそうですね。少しだけ、僕も襲っちゃおうかな——」

泉「……アンタは黙って突っ立てればすぐ終わるよ。俺が勝手に色々してやるから」

由紀「リクとだなんて冗談じゃないけど……君が望むなら死なない程度に愛してあげますよ」

朔良「次回はいつも以上にドキドキして頂けるよう頑張って執筆します! 楽しみにして頂けたら幸せです!」