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Re: 哀昧喪糊。−あいまいもこ− ( No.12 )
日時: 2015/03/23 17:22
名前: めろんそーだ (ID: Th22uItU)

途中で先生の怒鳴り声が聞こえた。
でも今はそんなの全然関係ないんだ。
来栖さんを、来栖さんを見つけて、また一緒に____!

「あれ………あの子は」

栗色の髪を二つに括った女子が俺を呼び止めようとして、前に立ち塞がる。
そして彼女は、来栖さんによく似た__しかし嘘くさい__笑顔で片手を前へ向けた。
何なんだよ、邪魔なんだよ、どけよ…………!!

「ねぇ____桜庭くん。桜庭琉翔くん」
「どけっ!………は、来栖さん、は何処だよっ………」

嘲るように笑う少女の手をすり抜けようとするが、腕を掴まれてしまう。

「そんなに強引に探しても、萌湖は見つからないよ?」
「何言って……」

ふふっ、と妖しく笑う女に、

なんだか恐怖心を覚えた。

「どう?私のお話、聞いて行かない?」












「私は篠田燐火っていうの。2年C組だよ」

隣のクラスだという彼女……篠田さん。
俺と彼女は今、図書室の端っこの席に、向かい合って座っていた。

「はぁ…。お、俺は___」
「いいわよ、知ってるから」

くすくす、と小馬鹿にしたような笑みを絶やさないその姿に、だんだん俺の苛立ちが募っていく。
早く来栖さんを探したいのに、何故だかこの話は聞いておかないといけない気がした。

「萌湖を探してるんでしょ?」

彼女は俺を睨むように真剣な顔つきをしてから、また優しい笑顔に戻った。